ロードスターRF試乗で感じた「マツダの生きる道」マツダの新型「ロードスターRF」(右)と、ソフトトップの「ロードスター」(写真中央の赤いクルマ)  Photo by Kenji Momota

NDで横浜から伊豆へ
「長距離を走ってほしかった」

 通(つう)が、「ND」と車両型式で呼ぶ、第四世代「ロードスター」のデザイナーを務め、「ロードスターRF」では主査となった中山雅氏は、伊豆に向け出発を控えたメディア関係者の前でそう言った。

 京浜工業地帯の一角にある、マツダのR&D拠点には、NDとRFがズラリと並んだ。

ロードスターRF試乗で感じた「マツダの生きる道」リアルーフの一部を残してルーフを収納する、複雑な機構 Photo by Kenji Momota

 RFの商品名称は「ロードスターRF」で、NDをベースにルーフを電動式ハードトップにした上級モデルだ。本稿では、ソフトトップの通常車をNDと呼ぶことにする。

 私はまず、NDに乗った。

 NDにじっくり乗るのは、2015年1月にマツダがスペイン・バルセロナで開催した世界メディア向け試乗会以来のことだ(詳しくは『新型マツダ「ロードスター」世界初の公道試乗会レポート』参照)。

 目的地の伊豆・今井浜までの走行ルートは自由。横浜育ちの私は、カーナビに頼らず、国道1号線から横浜新道、さらに相模湾に沿った「下道(したみち)」を行った。

 途中、茅ヶ崎駅周辺で自然渋滞、西湘バイパスでは覆面パトカーに気をつけながら、ルーフをオープンにしてクルージング。小田原を抜け、湯河原、熱海、伊東と沿岸ルートを行きながら、昭和の高度成長期に訪れたホテルの多くが巨大マンションへと建て替えられていることに驚いた。

 途中2度の休憩を入れて約150km、約4時間の行程をNDと共にした。