2018年3月に創業130周年を迎える朝日生命保険。今年4月1日に社長に就任する木村博紀氏は、その節目の年に第16代社長として辣腕を振るうことになる。今後の経営方針を木村氏に聞いた。

朝日生命の新社長が重視する柔軟な発想と環境変化への対応Photo by Toshiaki Usami

──これまで財務や資産運用畑を長く歩んでこられました。

 1984年に入社した後、1年の研修後に群馬支社に配属され、新人の育成など現場で3年間を過ごしました。その後、本社勤務となり、資産運用企画や調査部門などに配属されました。

 印象深いのは、96年の保険業法の改正です。当時はまだスタッフの課長として実務を担当し、基金の再募集を行ったり、ソルベンシーマージン比率といった新しい概念が導入されるなど、実務的なプランを考えたりする日々でした。

 そして2002年に経理に配属され、このときから組織を率いるようになりました。当時は連結会計やキャッシュフロー計算書、退職給付会計など会計基準が変わった時期で、それらに対応しながら組織でどうやってパフォーマンスを上げていくかに取り組みました。

 その後、収益管理や不動産部門を経て、リーマンショック直後の09年には資産運用企画の担当になりました。

──厳しい時期での登板ですね。

 当時は、過度のリスクを取らずに、円金利資産を中心に運用していましたね。