近年の就職戦線は「売り手市場」。学生側にとって有利な就職活動ができる一方、企業側の新卒採用担当者にとっては悩ましい状況だ。そんな中、従業員50人以下の中小ベンチャー企業でも、東京大学をはじめとする超難関校から新卒者を連続で採用できている企業がある。他の中小企業とは何か違うのか、どんな採用をしているのか、取材してみた。(ダイヤモンド・オンライン編集部 山本猛嗣)

自作のLED蛍光灯に
目を輝かせた東大生

東大新卒が入社する50人以下の中小企業は何が違うのか

 名古屋に本社を置くITベンチャー、ネオレックス(総勢31人、うち役員4人)の駒井研司CEOは、現在でも2011年度に初めて東大生が入社するきっかけとなった当時の様子を思い出す。

 駒井氏によると、就職活動のサイト運営会社から勧められ、新卒採用に試しにサイトを利用してみたら「たまたま興味を持ってくれた東大生が会社に見学に来た」という。その時、すぐに東大生が興味を持ったのが、自社の天井に設置された166本のLED蛍光灯だった。

「御社は凄いですね。こんなにたくさんのLED蛍光灯があるなんて」と驚く東大生。無理もない。当時、LED蛍光灯は非常に高額であり、1本3万円程度で売られていたからだ。しかし、その質問に対する駒井氏からの回答は常識をくつがえす、衝撃的なものだった。

「いやあ、全部、手作りだよ。自分たちで作ったんだ」

 天井にあるLED蛍光灯がすべて手作りと聞いた途端、その学生の目がみるみる輝き始め、駒井氏と学生は意気投合した。

「その帰りに、その学生が秋葉原に直行して材料を集め、早速、LED蛍光灯を自作したと聞きました。つい、うれしくなった私は彼に『君はもう、ウチの会社に来るしかないんじゃないか』と叫んでいました」(駒井氏)