過重労働を是正するためにも
一時的な踊り場はプラスになる

 過去にも、TDRのパートやアルバイトが労使交渉をするために、合同労組に相談を持ちかけることが何度かあったが、3000万人を突破したあたりから、この記事のような「変化」が出てきている。

《オリエンタルランドのキャストから合同労組に寄せられる声も、過重労働の話題にシフトしつつある》(2014/12/20 週刊ダイヤモンド)

 オリエンタルランド経営者がこのような「ブラック企業化」の兆しを感じ取ったとしたら、2万人のアルバイトを一気に組合員にしたり、待遇改善などに着手をするのは当然だろう。

 ただ、いくらこのような労働環境の改善策を進めていたところで、入園者数が雪だるま式に増えては焼け石に水だ。そのような意味では、この2年間、3000万人で足踏みをしているということは、TDRの長期的な成長を考えていくうえでは、決して悪いことではないのだ。

 事実、オリエンタルランドは「2020年度までにより高いゲスト満足度を伴った3000万人レベルの入園者数を実現する」と中期経営計画で掲げている。

 高いゲスト満足度は、「地獄のような混雑」では実現できない。ましてや、「過重労働」のアルバイトからは絶対に生まれない。そのあたりに手をつけずに、安易に入場者数の右肩上がりを追求すれば、いずれは自分たちの首を絞めることを、経営陣はよくわかっているのだろう。

 大型リニューアルが続き、スタッフの労働環境整備などもおこなうTDRがいま一番必要としているのは、いたずらに入場者数も増えず、かといって低迷というほどでもない「踊り場」だ。2年連続前年比で入場者数が減少をしたからといって、即座に「暗」と決めつける報道からは、こうした真実を読み解くことは難しい。

 マスコミは、USJが絶好調で、ディズニー神話に陰りが出てきたという、分かりやすいストーリーを触れ回っているが、テーマパークに限らず企業の成長は、そんなに単純な話ではないのだ。「フォーマット報道」のミスリードに用心していただきたい。