「ルールや決まりにとらわれず、自発的にモーチベーションを持ち、世界の出来事に興味を抱き、何につけても他とはちょっと違った方法でやるんだ」。
2004年にテレビ番組のインタビューでこう語ったのは、グーグルの創業者で現在CEO(最高経営責任者)を務めているラリー・ページである。
何も自分のことを話しているのではない。彼が幼少の頃に受けた「モンテッソーリ教育」について説明しているのである。ページは、そこでの教育が、父親が大学教授だったという家庭環境や、シリコンバレーに優秀な起業家を輩出することで知られるスタンフォード大学の研究環境よりも、ずっと大きな影響を自分に与えたというのだ。
そして、何と、ページとグーグルを一緒に創業したセルゲイ・ブリンもまたモンテッソーリ・スクールの出身だ。ブリンのほうはメディアに対して「モンテッソーリの教育では、生徒に大きな自由が与えられ、自分のペースで勉強して、何かを発見することが奨励される(略)自分の好奇心に従った道を歩んでいるのは、その教育のたまもの」と説明している。
驚くのはまだ早い。グーグルの創業者2人以外にも偉業を成し遂げたモンテッソーリ・スクールの出身者はまだまだいる。アマゾン・ドット・コム創業者のジェフ・ベゾス、「シムシティ」などで知られる天才ゲームクリエーターのウィル・ライト、ウィキペディアを始めたジミー・ウェルズもモンテッソーリ教育が生み出した逸材だ。
テクノロジー業界を離れると、もうザクザクと有名な卒園生・卒業生の名前が出てくる。アンネ・フランク、ジャクリーン・ケネディ・オナシス、ガブリエル・ガルシア・マルケス……。英国王室のウィリアム王子、ハリー王子もそうだという。
科学的な発明、文化的な貢献、ユニークなビジネスなど、さまざまな分野で才能を発揮する出身者たち。一体、このモンテッソーリ教育とはどのようなものなのだろう。