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デジタルで顧客接点はどこまで高度化するか

内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]
【第67回】 2017年4月14日
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デジタル化の潮流はビジネスの最前線に押し寄せており、店舗やコールセンターなどのリアルな顧客接点にも大きな変革が見込まれている。企業は顧客接点の高度化のステージに照らして自社の課題とありたい姿とその目的を明確にし、段階的なステージアップを目指すことが求められる。

顧客接点の高度化とは

 デジタル技術を活用したビジネス革新やデジタルビジネスの創出はあらゆる業界で重要事項となっているが、ITRではデジタルビジネスの企画・構想化にあたっては、IoTやAIといったテクノロジの視点だけでなく、業種ごとの事業課題に基づくテーマ設定が重要であると提言している(本連載第66回「業界ごとにデジタル戦略は違うのか? 注目4分野の動きをまとめる」 )。またその中で、顧客関係のデジタル化に属する業種横断的な戦略テーマとして「顧客接点・コールセンターの自動化およびバーチャル・エージェント」を挙げている。

 昨今、店頭での接客においてモバイル機器を活用したり、問い合わせ対応でAIやチャットボットを活用したりする事例が出てきている。顧客接点の高度化は、リアル店舗を持つ小売業だけでなく、金融業やサービス業の営業店、公共サービスの窓口、製造業におけるフィールドサービス、各種のコンタクトセンターなど幅広い業種に共通するテーマといえる。

 デジタル技術を活用した顧客接点の高度化とは、「店頭やコールセンターなど物理的な顧客との接点において、デジタル技術やデータを活用することでインタラクション(対応)の質・機動性・顧客体験を向上させること」と定義する。ここでは、デジタル・マーケティングやオムニチャネル戦略と区別するために、ネット上だけのインタラクションの改善は含まず、主にリアルな顧客とのインタラクションにデジタル技術を活用するものに限定して議論することとする。

 顧客自身が情報武装し、デジタル・コンシューマーとなりつつある中、顧客との関係を維持・拡大する上で顧客接点の重要性への認識は高まっているが、一方で顧客接点業務の複雑化は大きな課題となっている(図1)。対応効率と対応品質の両立は永遠の課題であることに加え、顧客一人ひとりに対する高度なアドバイスなどによる売上げ増大への貢献にも期待が高まっている。

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内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]

うちやま・さとし/大手外資系企業の情報システム部門などを経て、1989年からデータクエスト・ジャパンでIT分野のシニア・アナリストととして国内外の主要ベンダーの戦略策定に参画。1994年に情報技術研究所(現アイ・ティ・アール)を設立し、代表取締役に就任。現在は大手ユーザー企業のIT戦略立案・実行のアドバイスおよびコンサルティングを提供する。


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日々進化するIT技術をどうやって経営にいかしていくか。この課題を、独立系ITアナリストが事例を交えて再検証する。クラウド、セキュリティ、仮想化、ビッグデータ、デジタルマーケティング、グローバル業務基盤…。毎回テーマを決め、技術視点でなく経営者の視点で解き明かす。

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