トヨタを抜き、日本一になった
ホンダの強さとは
例年5月の中旬は、3月期決算企業の決算発表が行われ、新聞やビジネス誌の誌面をにぎわせます。今年も大手企業の決算が出そろい、純利益日本一は自動車メーカーのホンダになりました。その純利益額は5340億円。同社が利益日本一に輝くのは初めてのことです。そんな日本企業を代表する1社のホンダですが、意外な新規事業に乗り出していることはあまり知られていません。今回はホンダが乗り出している新規事業の勝算をポーターの「参入障壁」理論で分析してみます。
日本の自動車メーカー上位3社のトヨタ、日産、ホンダといえば、日本版ビッグスリーとも言われ、日本経済のけん引役です。この3社の中で、リーマンショック以降の2009年3月期から2011年3月期までの3年間で常に利益が一番大きかったのがホンダです。
自動車大手3社の純利益額の推移
2008年秋に起こったリーマンショックの影響をまともに受けた2009年3月期決算は、日本企業の多くが赤字に転落し、トヨタ、日産も多額の損失計上を余儀なくされました。ところがその中でもホンダだけは黒字に踏みとどまり、以降10年3月期、11年3月期と3社の中でもっとも利益を上げ、11年3月期では他の業界の会社も含め、とうとう利益日本一にまで上り詰めました。