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企業の情報管理が破たんする前に打つべき手は?

――情報管理システム大手「オープンテキスト」CEOに聞く

末岡洋子
【第145回】 2017年4月24日
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データ量の爆発的増加――中でも増えているのはメール、ドキュメント、画像などの非構造化データであり、これをいかに活用するかが企業の死活問題となっている。これを解決するのが「エンタープライズ情報管理」(EIM)と呼ばれるツールで、情報やコンテンツなどの資産を管理する技術となる。IT業界のトレンドである“コグニティブ”や“AI”は情報活用の究極とも言えるものだが、EIMを代表する「オープンテキスト」(OpenText)のCEO、Mark Barrenechea氏は、コグニティブはあらゆる業界に大きなインパクトを与えると予言する。

情報管理からコグニティブへ

OpenTextのCEO、Mark Barrenechea氏。プログラマーとしてキャリアをスタート、30年間この世界にいるが「今が最もエキサイティングな時代」と語る

 「どの業界を見ても市場は激動を迎えている。ある日突然、ベンチャーや新規参入企業に完全にルールを塗り替えられるという時代だ。OpenTextは主要なビジネスプロセスをデジタル化して、顧客がこのような市場で生き残り、競争優位につなげるように支援する」とBarrenechea氏は言う。

 同社の主力ソリューションであるEIMは、企業にある情報を管理することで資産の管理と活用、生産性の改善につなげる技術だ。OpenTextは非構造化データを含む情報、人、システムをつなげる情報グリッドを構築するソリューションを持ち、SAPなどの業務アプリケーションと連携することでプロセスの効率化を図ることができる。

 OpenTextは先にDell Technologiesより競合のDocumentumを買収、EIM分野におけるリーダー的ポジションをさらに固めた格好だ。「市場のファンダメンタルズはとても堅牢だ。デジタル化により第4次産業革命が始まっており、持続可能(サスティナブル)な市場加速要因になっている」とBarrenechea氏は切り出す。

 そのOpenTextが、EIMの次として現在進めているのが「コグニティブ」だ。同社は2016年の年次カンファレンスで、コグニティブ技術「OpenText Magellan」を発表、今年後半(7月)に製品化を予定している。まずは、米国、日本を含む10カ国で提供する。

 デジタル化は第4次産業革命を起こしているが、コグニティブ技術は今後さらに大きな影響を与える、とBarrenechea氏は言う。それは我々の仕事に直接影響する。「2016年、米国のロースクールの卒業生のうち4割が仕事を見つけられなかった。法務作業の5割程度がすでに自動化されている」とBarrenechea氏。

 「弁護士よりもコンピューターの方が正確で高速。専門法の弁護士は今後も需要があるだろうが、これまで絶対に安全と言われていた弁護士すら、テクノロジーの影響を受ける」と続ける。

 Barrenechea氏は、General ElectronicトップのJeff Immelt氏の言葉を応用して、「製造業や銀行などとしてスタートした企業も、これからはすべてソフトウェア企業、コグニティブ企業になる必要がある」と述べた。

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末岡洋子

すえおか・ようこ/フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている。


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