菅直人内閣に対する不信任票が反対多数で否決された。
当日未明まで不信任案に賛成する民主党内の勢力の勢いが衰えず、あのままでは可決される可能性が高かっただけに、鳩山由紀夫前首相との会談は、首相にとって“渡りに舟”であったに違いない。
退陣時期を明確にしなかった菅首相
会談した鳩山氏の怒りは大きいはず
一般的には、民主党代議士会や衆院本会議の経過を見て、また各種メディアの報道から、「菅首相の退陣表明」と受け取るだろう。退陣の流れは定まったと言ってもよい。
だが、その時期については、首相の明確な発言はなかった。
首相は代議士会で「大震災対応に一定のメド」、「首相として一定の役割が果たせた段階」を退陣の条件としたが、これでは5年でも10年でも続投できる。
一方、鳩山前首相は、首相との会談内容を「復興基本法の成立、第二次補正予算の早期編成をメドとして退陣する」と語り、その時期は「夏が来る前」と明言した。
これではこれから「言った」、「言わない」の大げんかが始まってしまう。私は長年の鳩山氏との付き合いから、彼は決してウソは言わない人と知っているから、鳩山氏の怒りは大きいだろう。