ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
田中秀征 政権ウォッチ

菅首相「あいまいな退陣表明」に秘められた意図

田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授]
【第85回】 2011年6月2日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 菅直人内閣に対する不信任票が反対多数で否決された。

 当日未明まで不信任案に賛成する民主党内の勢力の勢いが衰えず、あのままでは可決される可能性が高かっただけに、鳩山由紀夫前首相との会談は、首相にとって“渡りに舟”であったに違いない。

退陣時期を明確にしなかった菅首相
会談した鳩山氏の怒りは大きいはず

 一般的には、民主党代議士会や衆院本会議の経過を見て、また各種メディアの報道から、「菅首相の退陣表明」と受け取るだろう。退陣の流れは定まったと言ってもよい。

 だが、その時期については、首相の明確な発言はなかった。

 首相は代議士会で「大震災対応に一定のメド」、「首相として一定の役割が果たせた段階」を退陣の条件としたが、これでは5年でも10年でも続投できる。

 一方、鳩山前首相は、首相との会談内容を「復興基本法の成立、第二次補正予算の早期編成をメドとして退陣する」と語り、その時期は「夏が来る前」と明言した。

 これではこれから「言った」、「言わない」の大げんかが始まってしまう。私は長年の鳩山氏との付き合いから、彼は決してウソは言わない人と知っているから、鳩山氏の怒りは大きいだろう。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授]

1940年長野県生まれ。東京大学文学部、北海道大学法学部卒業。
83年、衆議院議員初当選。93年6月、新党さきがけ結成、代表代行。
細川政権発足時、首相特別補佐。第一次橋本内閣、経済企画庁長官。
現在、福山大学客員教授、「民権塾」塾長。


田中秀征 政権ウォッチ

かつて首相特別補佐として細川政権を支えた田中秀征が、期待と不安に溢れた現政権の動向を鋭く斬り込む週刊コラム。刻一刻と動く政局をウォッチしていく。

「田中秀征 政権ウォッチ」

⇒バックナンバー一覧