B君「あ~っ、今日でしたね。忘れてました。いけない、急いでまとめないと。僕、いい考えが思い浮かんだので、じっくりやろうと思っていたんですよ。うわぁ、間に合うかな~。あれ、資料がないぞ」

司馬理英子(しば・りえこ)/司馬クリニック院長。岡山大学医学部、同大学院卒業。 1983年渡米。アメリカで4人の子どもを育てるなか、ADHDについての研鑽を深める。 1997年『のび太・ジャイアン症候群』(主婦の友社)を刊行。ADHDをはじめて日本に本格的に紹介した同書は、大きな反響を呼び、ベストセラーとなる。同年帰国し、東京都武蔵野市に発達障害専門のクリニックである「司馬クリニック」を開業。子供と大人の女性の治療を行っている。 『新版 ADHD のび太・ジャイアン症候群』(主婦の友社)『「片づけられない!」「間に合わない!」がなくなる本』 『「発達障害のわが子」と向き合う本』『「ADHD脳」と上手につき合う本』『どうして、他人とうまくやれないの?』(以上大和出版) など著書多数。

 PCのデータや、デスクの上、引き出しをひっくり返して何やら探し回っているB君。発表に間に合わせるためにAさんは、その日、本来はB君がやるべきだったアポ取や雑務をすべて代わってやり、無事、発表させてあげることができた。

 B君の発表は斬新で光るものがあり、評判は上々だった。ただ、誤字脱字等のケアレスミスの多さが際立っていた。

 (慌てていたから仕方ない)とは思うが、それにしてもB君は遅刻が多いし、デスク周辺も乱雑でいつも探し物をしており、ロスタイムが多い。

 (ひょっとして、「ヤル気」はポーズなんじゃないか)

 Aさんは徐々に不安を募らせるのだった。

◎シーン2

 (あの子、いつも忙しそう。頑張ってるな)

 Cさんは、隣の課の新人、D子さんを好ましく思っていた。確かにD子さんは多忙で、コマネズミみたいに動き回っている。フットワークがいいと言えば聞こえはいいが、忙しいのは、そのせいだけではない。

 実はD子さんは、「自分で自分を忙しくさせてしまうタイプ」だ。

 例えば、こんな感じである。

 社員1「ちょっとコピー取ってくれる、大至急」

 D子さん「はい、ただ今」