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日本人が知らないリアル中国ビジネス 江口征男

誰も語らなかった中国アパレル市場「真の攻略法」
初戦で負けずに“上りエスカレーター”を駆け上がれ!

――事業開発研究所株式会社の島田浩司社長に聞く

江口征男 [智摩莱商務諮詞(上海)有限公司(GML上海)総経理]
【第48回】 2011年6月7日
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今や日本に負けす劣らず消費者の目が厳しいと言われる中国のアパレル市場。ワールドなどで20年以上ファッションビジネスに関わり、現在はアパレル以外の商材も含めて、アジアで様々な事業のプロデュースを行なう事業開発研究所株式会社の島田浩司社長に、中国でファッションビジネスを成功させるカギについて聞いた。 

ワールドなどで20年以上ファッションビジネスに関わり、現在はアパレル以外の商材も含めて、アジアで様々な事業のプロデュースを行なう事業開発研究所株式会社の島田浩司社長。中国ビジネスを「裏の裏」まで知り尽くし、アドバイスを行なう。

――日系アパレルブランドが、中国進出でよく陥る失敗には、どんなことがありますか。

 日本のやり方・基準を、そのまま中国に持ち込んでしまうことです。

 中国で自社商品が売れない場合に、日本人責任者が決まって言うことがあります。「中国はファッションレベルがまだ低いから、ウチのブランドは売れない」という言い訳です。日本とは異なる中国という市場を、日本の基準でしか見ていないのだから、売れなくて当たり前です。

 自分にとって未知の市場であればあるほど、感覚ではなく、データなどのファクトで見なければいけません。中国の場合、幸いなことに、主要な百貨店、ショッピングセンターのテナントごとの売上データはカネを出せば手に入るので、そういうファクトを通して市場を見なければダメなのです。

 また、「とりあえず出店してみる」というスタンスで失敗するケースも多いですね。「中国では全く無名のブランド」にもかかわらず、中国進出時の予算に入っているのは店舗の出店費用だけ。出店以上に大切な「新市場でブランドを立ち上げる」コストを考慮していない会社も多いです。

 店さえ出せば売れると考えているのかもしれませんが、そんなに簡単にうまくいくはずがありません。たまに「まぐれ」でうまくいくケースもあるかもしれませんが、私に言わせるとこれはビジネスではなくギャンブルです。ビジネスでは、「負ける戦をしないこと」が大切です。

 中国で商売をする場合には、特にスタートダッシュが肝心です。初戦に勝つか負けるかで、次の展開が大きく違ってきます。初戦に勝てば、営業しなくてもよい条件でドンドン出店依頼が来るのに対し、最初に売上が上がらないと、次の出店場所探しに頭を下げてお願いして回るという、極めて不利な状況が待っています。

 最初の段階から、負けないような周到な準備と、何がなんでも結果(売上)を出すことが重要です。

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江口征男 [智摩莱商務諮詞(上海)有限公司(GML上海)総経理]

1970年、神奈川県横須賀市生まれ。横浜国立大学大学院工学研究科修了、Tuck School of Business at Dartmouth MBA。Booz & Company, Accentureなどの経営コンサルティング会社、子供服アパレル大手のナルミヤ・インターナショナルを経て、中国にて起業。上海外安伊企業管理諮詞有限公司(Y&E Consulting)、(株)MA PARTNERSの創業経営者でもある。
⇒GML上海ホームページ執筆者へのメール


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