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高橋洋一の俗論を撃つ!

まず消費増税ありきの政府改革案
「税と社会保障一体改革」に異議あり

高橋洋一 [嘉悦大学教授]
【第15回】 2011年6月9日
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 菅政権はほとんどレイムダック(死に体)化しており、震災復興も進まず、東電福島第一原発事故対応でもモタモタしている。しかし、消費税増税だけが着々と進んでいる。

 6月2日の「税と社会保障の一体改革案」で「2015年度までに段階的に消費税を10%まで引き上げる」という方針が明らかになった。

消費税の社会保障目的税化は
理論的に正しいとはいえない

 この考え方は財務省がバックにいるので、ポスト菅でも「脱・脱官僚」の民主党では継承されるだろう。しかし、消費税の社会保障目的税化は理論的に正しいとはいえない。1月27日のこのコラム(社会保障を人質に理屈なき消費税増税を狙う 消費税の社会保障目的税化は本当に正しいか)で詳しく書いたが、そのエッセンスは、以下の通りだ。

(1)社会保障で重要なのは再分配機能である。

(2)一方、社会保障では負担と給付の明確化が必要である。

 この点から、消費税を社会保障財源とすると、再分配機能がうまく発揮されず、しかも負担と給付の関係が不明確になる。再配分機能と負担と給付の明確化のためには、消費税より社会保障保険料(定額+所得比例)を財源にするほうが優れている。

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高橋洋一[嘉悦大学教授]

1955年、東京都に生まれる。東京大学理学部数学科・経済学部経済学科卒業。博士(政策研究)。1980年、大蔵省入省。理財局資金企画室長、プリンストン大学客員研究員、内閣府参事官(経済財政諮問会議特命室)、総務大臣補佐官などを歴任したあと、2006年から内閣参事官(官邸・総理補佐官補)。2008年退官。金融庁顧問。2009年政策工房を設立し会長。2010年嘉悦大学教授。主要著書に『財投改革の経済学』(東洋経済新報社)、『さらば財務省』(講談社)など。

 


高橋洋一の俗論を撃つ!

元財務官僚の経済学者・高橋洋一が、世にはびこるもっともらしい「俗論」の過ちをズバリ解説。

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