私たちが「整形手術」をためらわない理由※写真はイメージです

一昔前に比べ、美容整形手術によって顔や体を“改造”する若者たちが増えている。最近は女性だけでなく、男性でも抵抗感を持つ人が少なくなっているようだ。その一方で、「親からもらった体を変えるなんて」という意見も相変わらず根強い。美容整形をためらわず、積極的に手術を受ける人々はどんな考えを持っているのだろうか。取材してみた。(フリーライター 有山千春)

厚ぼったい一重まぶたが
コンプレックスだった

「私が“やった”約10年前とは、考えられないくらいカジュアルになりましたよね。世間の見方も、お値段も。あのときは、“たかが”二重まぶた整形で、一大決心が必要でしたもん」

 そう振り返る優花さん(30歳・仮名)は、高校を卒業して数年後、「親の同意なく手術できるようになった瞬間に」、某美容外科に駆け込み、埋没法(※まぶたの皮膚に糸を通し、二重をデザインする手術法)の美容整形手術を受け、念願の二重まぶたを手に入れた。

「厚ぼったい一重まぶたがコンプレックスで、高校3年間ずっとアイプチをしていたので、後半はもう、まぶたは赤く腫れ上がり、痛々しいものでした。見かねた親が、『自分のお金なら、整形してもいいよ』と理解を示してくれたんです」

 当時の手術代の相場は、片目で5万円、数年単位の保証がついていた。地元の派手な同級生たちは「羨ましい」と羨望の目を向けたが、それ以上に陰口も多かった。

「そんなに高かったの? 今は片目1万5000円くらいでできるんじゃなかった?」

 そう驚くのは、優花さんの同僚である美咲さん(30歳・仮名)。「私は昨日、鼻にプロテーゼ入れてきたよ。どう?」と、優花さんに事もなげに報告する。