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現役東大生が教える「ゲーム式」暗記術
【第16回】 2017年5月15日
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西岡壱誠

東京大学駒場キャンパスは『幼稚園』!? その全容とは

偏差値35の落ちこぼれが 奇跡の東大合格をはたした、『現役東大生が教える「ゲーム式」暗記術』。本連載では同書の勉強嫌いでも続けられるゲーム式暗記術や、東大生の勉強にまつわるエピソードを紹介していきます。「英熟語ポーカー」「単語マジカルバナナ」「メモリーチェックゲーム」「暗記復讐帳ゲーム」など英語、資格試験……なんにでも使える24のゲーム式暗記術に注目です! 今回は現役東大生である著者の西岡壱誠氏が語る、東大駒場キャンパスの実態です。

秘境・東大駒場キャンパスとは何か

偏差値元35の凡人の私が二浪して東大に入学して早一年。
天才達と肩を並べて勉強できることに喜びを感じつつも、毎日「やっぱりこいつらおかしいわ」と痛感させられる日々を送っております。
今日はそんな中から、『駒場幼稚園』についてお話ししたいと思います。

◆1・2年生は教養学部!
東大は他の大学と違い、二年間はどんな生徒であっても「前期教養学部」へと入学します。
みなさんがご存じの赤門のある「本郷キャンパス」に行くのは3・4年生からで、医学部に行く生徒も法学部に行く生徒も「駒場キャンパス」で様々な学部の授業を選んで受講することになります。
入試では、法学部に行きやすい「文科1類」、医学部に行きやすい「理科3類」など、3・4年生でどこかの学部に行きやすい科類が存在しますが、それ以外の人でも点数さえあれば行きたい学部に行けますし、逆に「文科1類」の人でも法学部に行かないという選択もできます。3・4年生でどこの学部に行くのかを、1・2年生で授業を受ける中で決めることができるのです。

…とまあ、真面目な話はこれくらいにして。
この理系も文系も、将来の希望も様々な東大1・2年生が集まって勉強する「駒場キャンパス」のことを、別名『駒場幼稚園』といいます。
「いや18歳~20歳ぐらいの優秀な学生が集まったキャンパスのことを『幼稚園』だなんて…」と考える方がいるかもしれませんが、そうじゃないんです。
全国から、「ヤバいほど勉強ができて性格的にちょっと壊れてるやつ」が、高校生のテンションを引き継ぎながら集まるのが、このキャンパスなのです。
3・4年になれば、同じような将来の希望・興味のある専門分野を持った人の集まりになりますが、1・2年生は将来の希望も、興味も、価値観もバラバラ。
手のつけられない天才の闇鍋状態、人財過多なサーカス状態なのです

共通の話題はもっぱら『点数』!?

この『駒場幼稚園』に入った学生はまず、入学式の前にクラスごとで合宿に行くことになります。第二外国語で割り振られたクラスごとに、1学年上のクラスの先輩と一泊二日の旅行に行くのです。ここで、東大のシステムを先輩に習いながら、クラスメイトと仲良くなる訳です。
…が、ここが問題。
六年間男子校にいて女子と話したことがない人が多い中で、しかも受験期に全くと言っていいほど人と話していなかった学生が多い状況で、泊りがけで初対面の人と話をしなければならないのです。
そんな中で学生が共有する話題は一つ、『点数』です。
「今年の東大の入試の最低点はこうだったな!」「センター試験の点数どれくらいだった?」etc…
「もう大学に入ったんだからその情報いらないだろ!」という話で盛り上がるのです。

◆東大生が共有できる話題は『勉強』だけ!?
「いや、初対面でも好きなテレビの話とか漫画の話とか、いろいろ話題あるでしょ!?」
と思う方もいるかもしれませんが、違うんです。
東大生が共有できる話題は、『点数』とか『勉強』だけなんです。
例えば自分も、初対面の東大生に果敢に話をしてみました。

自分「ねえ!朝ドラ見てる?」東大生「見てない」
自分「ねえ!あのテレビ番組知ってる?」東大生「知らない」
自分「ねえ!ミスチル知ってる?」東大生「知らない」

自分「…ねえ、あの数学の参考書知ってる?」東大生「知ってる知ってる!あの参考書いいよな!俺もずっと使っててさ!!」

テレビも漫画も音楽も、東大生はあまり見ないし知らないので、話が繋がらないのです。
逆に勉強なら、東大生は絶対に食い付きます。そこに関してはプロですから。

こんな風に、東大生の友情は『点数』や『勉強』から始まるのです。

また、勉強以外でなんとか共有できる話題としては『文学』があります。
「やっぱり『源氏物語』の一番最高の女性は葵の上だよね~!」
「村上春樹の最高傑作ってなんだと思う~?」
「今、坂口安吾読んでてさ~!」
などなど。

なんだかもう本当に、側から見たら気持ち悪いとすら思われるかもしれない話題で盛り上がるのが『駒場幼稚園』の学生の特徴なのです。

◆そして授業でも…
そうやって『点数』や『勉強』の話で仲良くなり、大学に馴染んでくると、今度は新たな問題に直面します。
それは、『授業』です。
駒場幼稚園の授業の特徴として、文系理系が混ざって授業を受け、時にグループワークをしながら授業に取り組むことが学生には求められるのです。
そうすると。
「統計学的な観点から言えばこっちでしょ」(by数学科志望)
「経済的な見地に立てばこうじゃね?」(by経済学部志望)
「はあ。工学的にはこっちなんだけどなぁ…」(by工学部志望)
「え、でも法律的にはさー」(by法学部志望)
「話まとまらないな!?」(by自分)
…とまあ、こんな風に、価値観が多様化していて、話がしっちゃかめっちゃかになる訳です。
数学科志望・経済学部志望・工学部志望・法学部志望「よし、とことん話し合おう!」
自分「いや授業時間過ぎてるんだけど!?」
理系文系、なりたい職業、興味のある分野などが多様な空間だからこそ、普通ではまずありえないような会話が生まれ、手が付けられなくなっていく。

駒場幼稚園は、こんな風に大変な様相を呈するのです。

さて、以上が駒場幼稚園の全容です。いかがでしたか?
「多様な価値観を持つ優秀な学生の集まり」と見れば、凄く素晴らしい学びの場であることは間違いないのでしょうが、「幼稚園生」の立場から言わせてもらうと、本当に「凄まじい所」ですね。
…退屈はしませんが。

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東京大学2年生。1996年生まれ。 東大輩出者ゼロの無名校でゲームにハマり、落ちこぼれ、学年ビリに。 偏差値35の絶望的状況から一念発起して東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で、箸にも棒にもかからず不合格。崖っぷちの状況で「ゲーム式暗記術」を開発し、みるみるうちに偏差値が向上。東大模試第4位になり、奇跡の東大合格をはたす。 現在は、かつての自分と同じような崖っぷちの受験生に、家庭教師として勉強を教えている。 教え子の一人は、英語が絶望的な成績だったにもかかわらず、「ゲーム式暗記術」で、見事、東京外国語大学に合格している。大学では、東京大学で44年続く書評誌「ひろば」の編集長を務める傍ら、東京大学で25年の歴史がある「法と社会と人権ゼミ」のパート長も務めている。 その他、学外では中小企業庁の事業「ふるさとグローバルプロデューサー育成支援事業」にも参加している。 趣味はゲーム。テレビゲームはもちろん、スマホゲームからカードゲームまで幅広くプレイ。特に、高校生時代にハマった「女神転生シリーズ」は100時間以上プレイした。


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