新しい形のファーストコンタクトSF『正解するカド』

 今春から始まったアニメの中でも秀逸なのが『正解するカド』(*1)でしょう(個人的感想です)。いわゆるファーストコンタクトもののSFアニメで、原作はなくSF作家である野崎まどさんが構成・脚本を手がけるオリジナルストーリーです。

異色のファーストコンタクトSFアニメ『正解するカド』。ヤハクィザシュニナ(中央)と交渉する外務省の交渉官・真道幸路朗(右)と国際交渉官・徭沙羅花(左) (C)TOEI ANIMATION,KINOSHITA GROUP,TOEI

 物語の舞台は現代の日本。ある日突如、羽田空港上に一辺2000mの立方体(これがカド)が出現します。そして戦車の砲撃にもびくともしないその立方体から現れたのは、ヤハクィザシュニナと名乗る宇宙人でした。

 いえ、この表現は正しくありません。ザシュニナはなんと「この宇宙の外から来た」と主張しているのですから。生命体かどうかもわからないので、ET(*2)(地球外生命体)やエイリアン(異星人)も適当ではないかもしれません。日本国政府はその到来地を「異方」、ザシュニナを「異方存在」と呼ぶことにします。

*1 TOKYO MXなどで放映中。アニメ制作は東映アニメーション。同社の『楽園追放』(2014)もAI進化・電脳社会を描いた秀作。
*2 Extra-Terrestrial