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美人のもと

地下鉄

西村ヤスロウ [広告プランナー]
【第103回】 2011年6月20日
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 街に出ると、美人が際立つ場所とそうでない場所がある。そして際立つ場所で人を眺めているとその理由が見えてくることがある。

 たとえば地下鉄。普通の電車よりも際立つのだ。

 地下鉄はたいてい車窓が真っ暗で単調である。車窓を楽しむ電車と比べるとほとんど外に目をやる時間はなくなる。たいていの人は視線が近いところに行くのだ。他人を見る時間が少なくなっていく。そうしてたいてい人は自分の殻に閉じこもりやすくなる。公共の場にいることをついつい忘れてしまうことも多くなる。

 そんな中、美人は公共意識を高く持っている。

 例えば席を譲る行為。誰よりも早く譲るべき人を見つけ、すかさず声をかける。その素早さに譲られた方も笑顔になり、譲った方も自然と笑顔が出る。その笑顔のコミュニケーションが「美人のもと」になっていくように見える。

 タイミングがうまいのだ。席を譲っても断られて嫌な空気をつくってしまうことも少ない。仮に断られても笑顔が生まれる会話ができている。

 降りたい人が出口に向かえば、道をつくるし、自分自身の道も適度に声を出し、上手に降りていく。別にキョロキョロしているわけでなく、読書を楽しんだり、友達と会話したり、自分なりの時間はつくっているが、周囲の変化への対応が早いのだ。つまり、つくってしまいやすい殻に入り込んでしまわないことを習慣化している。殻の中に「美人のもと」を減らす何かがあるのかもしれない。

 一方、ドア付近にいて、駅に着いて他人が乗り降りするときに自分が邪魔なのに動こうともしない人が多くいるのが地下鉄である。殻の影響だろう。その殻の中が危険であることも知らずに入り込んでいる。

 自分が降りるべき駅に着いていることをドアが閉まる直前に気づいて、他人にぶつかりながらドアにむかっている人を見るといい。殻で「美人のもと」を減らしてしまったように見えることが多い。

 地下鉄の中こそ他人を意識していよう。入り込みやすい殻を意識しよう。それだけで地下鉄の中は「美人のもと」であふれる素敵な空間になるはずだ。


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西村ヤスロウ [広告プランナー]

1962年生まれ。プランナー。趣味は人間観察。著書に『Are You Yellow Monkey?』『しぐさの解読 彼女はなぜフグになるのか』などがある。


美人のもと

『経』に好評連載中の西村ヤスロウ氏によるエッセイ。「美人のもと」とは、女性なら誰しも持っているもの、「美人のもと」を磨き続けるためのコツを解き明かす。

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