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脳疲労が消える最高の休息法
【第11回】 2017年6月3日
著者・コラム紹介バックナンバー
久賀谷 亮

「疲れそのもの」ではなく、「疲れた感じ」を解消するには?

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睡眠、美容、子育て、集中力、ダイエット、禁煙、老化……など、幅広い有効性が認められているマインドフルネス。これを日本で最も広めたベストセラー『最高の休息法』に「医師監修の特別音源CD」を付属した実践編が登場した。その名も『脳疲労が消える 最高の休息法[CDブック]』――。その一部をご紹介しよう。

脳内の「アンバランス」がストレスを招く

脳の疲れと聞いて、誰もがまず思い浮かべるのがストレスでしょう。他人(あるいは自分)にイライラしたり、先のことを不安に思ったり、大きな緊張を抱えたりすることで、脳には一定のストレス反応が起こります。

なかなかすぐに効果は見えづらいのですが、ある程度マインドフルネスを継続していけば、ストレス反応そのものを軽減する力が脳には備わっていきます。そのプロセスを自分なりにチェックするうえで目安になるのが、次のマインドフルネスの3つの経験段階です。

(1)初期 ─“いまここ”に注意を向けることに躍気になる
(2)中期 ─ 雑念に気づき、“いまここ”へと注意を向け直せる
(3)後期 ─ 努力しなくても、つねに心が“いまここ”にある

いくつかの研究では、3カ月以上にわたってマインドフルネスを実践した人の脳内では、前頭葉と扁桃体が上下関係でなく、より対等でポジティブな関係をつくることがわかっています*01。

ごく単純化した図式ですが、前頭葉が人間の理性なのだとすれば、扁桃体は感情を司る部位だと考えていただけばいいでしょう。

扁桃体は数億年前の魚類も持っていた、最も原始的な脳部位です。外部の脅威から自分の身を守ることを最優先する動物的な本能の役割を担っています。

外部から一定の刺激を受けると、この部位が不安とか怒りといった感情を生み出します。これがストレス反応です。こういう場合、通常は理性である前頭葉が感情である扁桃体を上から抑えつけて鎮静化を図ろうとします。

前頭葉が抑え込めないくらい扁桃体が過剰に活動すると、交感神経に作用して、激しい動悸や過呼吸などの身体症状が引き起こされます。これがいわゆるパニック発作という状態です。

一方、マインドフルネスの訓練を受けた脳では、こうした上下関係そのものに変化が生まれます。つまり、前頭葉が扁桃体を上から抑制するのではなく、両者がよりフラットにバランスを取り合い、調和している状態が観察されるのです。

パニック発作のような激しいストレス反応を改善するうえでは、理性によって一方的に抑えつける方法には限界があります。前頭葉と扁桃体、理性と感情の協調関係を生み出すマインドフルネスには、医師としても大きな可能性を感じます。

*01 Tang, Yi-Yuan, et al. (2015) “The neuroscience of mindfulness meditation.” Nature Reviews Neuroscience 16.4: 213-225.
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久賀谷 亮(くがや・あきら)

医師(日・米医師免許)/医学博士
イェール大学医学部精神神経科卒業。
アメリカ神経精神医学会認定医。アメリカ精神医学会会員。
日本で臨床および精神薬理の研究に取り組んだあと、
イェール大学で先端脳科学研究に携わり、
臨床医としてアメリカ屈指の精神医療の現場に8年間にわたり従事する。
そのほか、ロングビーチ・メンタルクリニック常勤医、ハーバーUCLA非常勤医など。

2010年、ロサンゼルスにて「TransHope Medical」を開業。
同院長として、マインドフルネス認知療法やTMS磁気治療など、
最先端の治療を取り入れた診療を展開中。
臨床医として日米で25年以上のキャリアを持つ。

脳科学や薬物療法の研究分野では、
2年連続で「Lustman Award」(イェール大学精神医学関連の学術賞)、
「NARSAD Young Investigator Grant」(神経生物学の優秀若手研究者向け賞)を受賞。
主著・共著合わせて50以上の論文があるほか、学会発表も多数。趣味はトライアスロン。


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