引きこもり生活15年、女性画家を絶望から救った「運命の出会い」子どもの頃から15年ほど引きこもり、強迫性障害で手を頻繁に洗わずにはいられない――。そんな20代女性が新しい人生を踏み出すことに成功したきっかけとは? (※写真はイメージです)

強迫性障害で手を洗わずにいられない
15年来、引きこもり続けた20代女性

 子どもの頃から15年ほど引きこもってきた20代女性が、入院をきっかけに自己流で絵を描き始め、山梨県内のギャラリーで個展を開いた。

モノクロのペン画25点を4月下旬、北杜市にある「詩遊館ギャラリー」に出展したのは、同県に住むノナカミホさん(25歳)。

 彼女の画は、定規やコンパスを使わずにボールペンだけの「フリーハンド」と呼ばれる手法で描写されていて、つい惹きつけられてしまう魅力がある。

 小学4年生の頃、不登校になって以降、中学に至るまで1日も学校に行けなかった。音に過敏なところがあり、教室がうるさくて入れなかったのがきっかけだった。高校に入学はしたものの、クラスに馴染めなくて浮いてしまい、半年で中退。それからずっと家にいた。

「バイトを始めようと思っても、面接で落ちちゃったりとか、バイトしても人と上手く話せなくて続かなかったりとか、外に出るのも嫌で。ずっと部屋に閉じこもって、携帯で音楽を聴いて、寝る。1日誰とも話さないで、部屋にいることが多かったです」

 20歳の頃から、潔癖症のような状態がひどくなり始め、手を洗うのに時間をかけるようになった。やがて、椅子に座れなくなった。それまで散歩することはできたものの、傍らを車が通り過ぎるだけで汚れてしまうような気分になり、散歩にも行けなくなった。

 ずっと家にいると、今度は家の中が気になってきて、たとえ家族であっても、自分以外の人が触ってくるだけでも洗いたくなった。こうして去年の夏頃になると、1日にお風呂に何回も入るようになった。家以外に行ける居場所が欲しかった。