何千億円もの利益が一瞬で消滅
最近よく聞く「のれん代の減損」とは?

 このように、東芝以外の好調な企業の決算でも、利益が減損によって1000億円単位で吹き飛ぶのはなぜか。以前は、こうした事態をあまり聞くことがなかったのはなぜか。そもそも、この「のれん代の減損」とは何なのか。「最近、ニュースで『のれん代』という言葉をよく耳にしながらも、よく意味がわからない」と疑問を持っている読者も多いだろう。

 足もとの現象を読み解くポイントは3つある。

(1)今世紀に入って、日本企業が頻繁に巨額の企業買収をするようになった。それに伴なうリスクが「のれん代の減損」である。

(2)これまでの日本の会計基準では、巨額ののれん代の減損は発生しなかったのだが、米会計基準ないしは国際会計基準を採用すると巨額の減損が発生するようになる。

(3)日本の大企業が資金調達のグローバル化に伴って、国際会計基準を採用せざるを得なくなくなってきた。

 つまり、企業買収もしないし海外からの資金調達もしない昔の経営の常識では、こんなことは起きなかった。日本の会計基準のままであれば、やはりこんなことは起きなかった。

 しかし時代が変わってしまったのである。ソニーがバブル期にコロンビア映画を買収したときには日本中が驚天動地になるくらいのサプライズだったが、今や日本企業が海外の大企業を巨額の資金で買収するのは日常茶飯事になってしまった。