取り締まり強化と違法アップロードで
AV業界は崩壊の危機に

 AV業界に詳しいライターの大坪ケムタ氏は、今回の逮捕劇も昨今のAV業界締め付けの流れの一貫であると分析する。「20年の東京オリンピックに向けて、アダルト業界は取り締まりが厳しくなっており、今回の事件もその流れを汲んだものと思われます。今回の件にかぎらず、様々な摘発を受けてAV業界は再編が進んでいるところですが、既に通常のAVのモザイク修正も濃くなったりしている。全体的に自粛傾向にあることは否めません」(大坪氏)

 無修正サイトはAVの業界団体にも所属しておらず、様々な規制から免れている。しかし、その動画製作の流れは一般のAVとなんら変わらないという部分が問題なのだという。「ひと昔前までは、無修正動画はオモテAVの流出モノだったり、アンダーグラウンドな制作会社による違法性の高いものがほとんどでした。ですが、現在は撮り下ろし作品が多く、制作体制も通常のAVと変わらない。もちろん、女優も無修正と了解して出演しています。ただ、様々なリスクがあるためか、ギャランティは高めに設定されているようです」(大坪氏)

 リスクは高いものの、目先の利益を求める事務所や製作プロダクションが、実入りのいい無修正動画製作に関わるといった構造があるようだが、その根底にはAV業界全体の市場が縮小傾向にあることも大きいと大坪氏は指摘する。

「ネット上に違法にアップロードされてしまう動画のおかげでAV業界は深刻なダメージを負っています。ファンも固定化しており、先細りの傾向は否めない。アダルト業界は、何十年もかけて健全な産業を目指してきました。海外配信の無修正動画運営サイトにも規定のルールを遵守するという意識はある。ここでさらに様々な規制が続くと、AV業界そのものが崩壊し、20年まで持たないかもしれません」

 機材の進化とインターネットのおかげで、アダルト動画は女優さえいれば個人でも製作・流通することができてしまう。規制を強めた結果、違法性の高い個人動画がネットに溢れてしまうようでは、まさに逆効果だ。AVは決してなくなるものではないだけに、当局による慎重な規制と、業界の自浄作用が求められている。