「一流人になる準備」開始は30代がラストチャンスの理由一流人には常人とは明らかに異なる高い「教養」があります

一流になるための
準備を始めよう

 ここまでビジネスパーソンとしての基礎力の大切さ、生涯をかけるべき専門性選択のポイントなどについて語ってきました。今回はさらに議論を先に進めたいと思います。

「30代までの学習力や吸収力は40代以降とはかなり違う」ということは、容易に想像がつくと思います。その意味では、広範な知識とともに、様々な基礎力を同時に鍛えられる、30代の今が最後のチャンスなのです。

 もちろん、私もいまだに日々学び続けています。それは必要なことです。しかしそれは、いわば追加学習です。新規に何かを学び始めるというのは、さすがにきつくなりました。これは経験上、言えることです。新しいことをゼロから学ぶとなれば、若いうちの方が断然、有利なのです。

 ところが、私もそうでしたが、30代に本人が感じるのは「でき上がり感」です。人間関係も仕事もそこそこでき上がっている感じがあって、「もう一人前の大人なのだから、今さら人には聞けないし、学ぶ必要もないよ」と思いがちです。

 そうした気持ちでこのラストチャンスを逃すとすれば、それはあまりにもったいない話です。30代はまだまだ学べる年齢です。小さくまとまってしまうには早すぎます。「もう30代なんだから…」ではなく、「まだ30代」なのです。

 さて、将来、大きく花が開くための知的財産とは何かについて考えてみましょう。

いわゆる一流の人間といわれる人は皆、大変な教養人です。普通の人たちと彼らの間には恐ろしいくらい差があります。特に仕事以外の話をした時に、その人の教養の深さ、知識の豊富さ、見識の高さがわかり、驚嘆させられます。