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吉田恒のデータが語る為替の法則

今年の豪ドル高&ユーロ高はすでに終わった可能性も!カギは米金利と原油か

吉田 恒
【第138回】 2011年6月29日
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 今回は、日本の個人投資家に人気の高い豪ドルと、さらにユーロについても書いてみたいと思います。

 私は、今年の「豪ドル高」と「ユーロ高」がすでに終わった可能性もあり、この2つの通貨がどれだけ下がるかは、米国の金利の動きを受けた「米ドル高」しだいだと思っています。

短期的な豪ドルの「上がり過ぎ」は、ほぼ修正された

 このところの豪ドルは反落が続いており、対円では85円を割り込む動きとなってきました。このような豪ドルの反落は、基本的には「買われ過ぎ」と短期的な「上がり過ぎ」の反動でしょう。

 ただ、短期的な行き過ぎの修正ということならば、このあたりで豪ドルの反落が一巡してもおかしくはないと思います。

 「資料1」は豪ドルのポジション動向ですが、一時は買い越しが9万枚を超え、空前の「買われ過ぎ」となっていましたが、最近はかなり修正されてきました。

資料1

 

 また、豪ドル/円の短期的な行き過ぎをチェックする90日移動平均線からのカイ離率を見ると、4月には経験的な「上がり過ぎ」を示すプラス10%近くまで拡大していたのですが、最近はほぼニュートラルに戻ってきました。

 これを見るかぎり、短期的な豪ドルの「上がり過ぎ」は、ほぼ修正されたようです。

豪ドル高は「バブル破裂」に向かうのか?

 ここで気になるのは、豪ドルの割高が、そういった短期的なものだけでなく、もっと根本的な部分にもあるということです。

 豪ドル/円、そして豪ドルの対米ドル相場の適正水準、購買力平価からのカイ離率を見ると、豪ドルは対円では過去にあまりないほど、対米ドルでは空前の割高になっているようです。

 「資料2」で、豪ドル/米ドルの購買力平価からのカイ離率をご覧ください。

資料2

 

 豪州、豪ドルに構造的な変化が起こり、これまでの常識では説明できないほど「豪ドル高」が正当化されるようになったのか?

 そういった面は多少なりともあるとしても、それにしても、この空前の豪ドルの割高というものが、やはり文字どおりの「バブル」なのか?

 豪ドルの総合力を示す実効相場の5年移動平均線からのカイ離率を見ると、豪ドルは総合的に、かなり「上がり過ぎ」の限界圏に達している可能性がありそうです。

豪ドルの歴史的上昇局面は転換に向かいつつあるのか

 もし、そのような空前の豪ドルの割高が本格的に修正され始めたとしたら、この豪ドルの下落は、短期的な「上がり過ぎ」の修正が一巡しただけでは終わらない可能性がありそうです。

 最近、ある著名な専門家が、日本および海外のメディアが豪州「礼賛」的な記事を特集したのを見て、経験的にこういった動きは「ネガティブ・インディケーター」であり、行き過ぎ相場の転換と一致することが多かったといった内容のレポートをまとめました。

 彼のイメージからすると、豪ドルの中長期的な下落が始まっているか、さもなければ…

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吉田 恒 

立教大学文学部卒業後、自由経済社(現・T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。同社代表取締役社長、T&Cホールディングス取締役歴任。緻密なデータ分析に基づき、2007年8月のサブプライムショックによる急激な円高など、何度も大相場を的中させている。2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケット エディターズ」の日本代表に就任。


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