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カイゼン!思考力

なぜか重要に思えてくる…――希少性の罠

嶋田 毅 [グロービス 出版局長兼編集長、GLOBIS.JP編集顧問]
【第54回】 2011年7月1日
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陥りがちな思考の罠に迫る「カイゼン!思考力」。今回は、「希少性の罠」を取り上げる。

――問題です

 以下のAさんの考え方の問題は何か。

 舞台は主に稀覯(きこう)本を扱う古書店。顧客のAさんと店主Bさんの会話。

Aさん「この本、ずいぶん珍しいね」

Bさん「さすがにAさん、お目が高い。今日の朝入荷したばかりなんですよ」

Aさん「寡作で知られるこの作者の初版で、しかもサイン入りか」

Bさん「そうなんですよ。何しろ、初版は数十部しかないと言われていますから。しかも、そのほとんどは戦争で焼けてしまった。現存しているのは、たぶん世界中探しても数冊でしょう」

Aさん「これって、まだ出てくる可能性はあるの?」

Bさん「まあ、全くないとは言いませんが、限りなくゼロに近いでしょうね。しかも、この作者の直筆サイン入りなんて、この商売長くやっていて見たことないですから。超掘り出し物なのは間違いないですよ」

Aさん「いくらになる?」

Bさん「Aさんとは長い付き合いだ。そこのところも考えて、勉強して20万円でどうです?」

Aさん「20万かあ。もう一声何とかならない?」

Bさん「いくらAさんとは言え、これ以上下げたらこちらも商売になりませんから…。世界に1冊しかないということも考えてくださいよ」

Aさん「…うーん。そう言われると弱いな。とは言え20万はなあ…。19万でどう。これ以上は言わないから」

Bさん「Aさんにはかなわないな。じゃあ、19万で手を打ちましょう。その代わり、次は値切りなしですよ」

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嶋田 毅 [グロービス 出版局長兼編集長、GLOBIS.JP編集顧問]

東京大学大学院理学系研究科修士課程修了。戦略系コンサルティングファーム、外資系メーカーを経てグロービスに入社、主に出版、カリキュラム設計、コンテンツ開発、ライセンシングなどを担当する。現在は出版、情報発信を担当。累計120万部を超えるベストセラー「グロービスMBAシリーズ」や、「グロービスの実感するMBAシリーズ」のプロデューサーも務める。
グロービス経営大学院や企業研修においてビジネスプラン、事業創造、管理会計、定量分析、経営戦略、マーケティングなどの講師も務める。また、オンライン経営情報誌 GLOBIS.JPなどで、さまざまな情報発信活動を行っている。


カイゼン!思考力

ビジネスパーソンが日常生活やビジネスの現場で陥りがちな思考の罠。そんな罠になぜ人ははまってしまうのか――。その謎と罠に陥らない方法に迫ります。

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