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もうクレーマーには悩まない苦情対応実践マニュアル

業種・業態別クレーム対応の実際
――「行政」「百貨店」の場合

関根眞一 [苦情・クレーム対応のアドバイザー]
【第4回】 2011年7月1日
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行政のサービス向上は進んだか――官公庁の実態
「市民課」窓口の出来事

 ある県の市役所で、観光名所の資料をもらっていた時のことである。その横で、「だから、テメーはダメだと言ってるんだ」と、ベランメェ調の大声が聞こえてきた。これに対して、カウンターの内側から「私が担当ですから、規則どおりに説明させていただきました。条件に当てはまらないからムリだと言っているわけです」と、職員が対応している。カウンターの上には「市民課」という札が下がっていた。

 どうやら生活保護の受給についての相談のようだった。相談者は、生活保護の手続きなどについてほとんど何も知らないまま市民課に来て、「生活保護を受けさせてほしい」と訴えたらしい。ところが、事前に予約しないと相談に応じないと言われ、怒りが爆発した。今、生活が苦しいから、わざわざ時間をつくってきたのに……。

 対応する職員は「規則ですから」「規則では」を連発している。これに対して相談者は、

 「今日、話を聞いてほしいんだよ」

 「ムリです」

 「ムリということはないだろう。いったい何時まで仕事してんだ」

 「5時半です」

 「そんなに早く終わるのか。残業はできないのか」

 「特別な理由がなければ残業できませんし、事前の申請も必要なんです」

 こんなやり取りで、まったく埒があかなかった。

 「規則」を理由にすると反発のもとに

 確かに、市民から納められた大切な税金を使うのだから、残業一つにも申請などの手続きが必要なのかもしれない。しかしながら、民間とのあまりの対応の違いに、普通の市民は驚くばかりではないだろうか。また、民間では客の要望に「できない」と言うことはほとんどない。できなくても代わりの方法を探すなど、客のためにできるだけのことをするのが当たり前だ。規則、規則と言われると、言い訳のように感じられて、反発する気持ちもわき上がる。「税金を払っているのはこっちなのに」などという思いも頭をよぎってしまう。

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関根眞一 [苦情・クレーム対応のアドバイザー]

1950年生まれ。69年、(株)西武百貨店池袋入社(販売経験26年)。96年にお客様相談室長就任。03年、歯科業界をネットワークする企業に事業部長として入社。04、NPO法人 歯科医院審査機構 事務局次長。05年にメデュケーション株式会社を興す。「苦情学」(恒文社)「苦情対応実践マニュアル」(ダイヤモンド社)など出版。


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