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出口治明の提言:日本の優先順位
【第13回】 2011年7月5日
著者・コラム紹介バックナンバー
出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長]

東大の「秋入学」は、
企業の国際競争力の強化にもつながる

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 久々に、元気が出るニュースを聞いた。すなわち、わが国の構造改革に繋がるニュースだ。東京大学が、入試は変えずに入学時期を春から秋に移行させる検討に入ったという(2011.7.1.日経朝刊トップ記事)。

 秋入学は、まさに大学国際化の切り札であり、制度的にも2008年から学年の始期と終期は学長判断で決められるよう規制緩和がなされていた。それでもどの大学も一歩を踏み出すことが出来なかったのである。わが国大学の頂点に立つ東大が先陣を切ってその一歩を踏み出したことを高く評価したい。

大学の競争力はビジネス界の競争力の先行指標

 株価は景気の先行指標であるとよく言われている。それに準えれば、基礎研究やリベラルアーツを受け持つ大学の国際競争力は、その社会、ビジネス界の国際競争力の先行指標であると言えるのではないだろうか。

 ところで、わが国の大学の国際競争力は、現在、どのような水準にあるのだろうか。国際高等教育情報機関である英国クアクアレリ・シモンズ社の「QS世界大学ランキング2010」によると、1位がケンブリッジ大学(英国)、2位がハーバード大学(米国)、3位がエール大学(米国)で、東大が24位、京大が25位となっている。なおアジアでは、香港大(23位)が僅差で東大を上回り、初のアジア首位大学の座を射止めた。

 もちろんQSランキングについては、トップ10がすべて英国と米国の大学によって占められており、わが国では「英語の壁」を指摘する向きも少なくはない。その側面がないとは言わないが、大局的に見ればこうした指摘はイソップの「すっぱいぶどう」の話と同じではないだろうか。どのような土俵・ルールであっても真に強い者はやはり強いのである。

 ともあれ、GDP世界第3位の経済大国である日本の大学の競争力がこのように世界に大きく劣後している現状は、わが国社会・経済の先行きに一抹の不安を掻き立てるものである。東大が秋入学に向けて一歩を踏み出した背景には、こうした危機感があるものと思われる。

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出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長]

1948年、三重県美杉村生まれ。上野高校、京都大学法学部を卒業。1972年、日本生命保険相互会社入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当。生命保険協会の初代財務企画専門委員会委員長として、金融制度改革・保険業法の改正に従事。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て同社を退職。その後、東京大学総長室アドバイザー、早稲田大学大学院講師などを務める。2006年にネットライフ企画株式会社設立、代表取締役就任。2008年に生命保険業免許取得に伴い、ライフネット生命保険株式会社に社名を変更、同社代表取締役社長に就任。2013年6月24日より現職。主な著書に『百年たっても後悔しない仕事のやり方』『生命保険はだれのものか』『直球勝負の会社』(以上、ダイヤモンド社)、『生命保険入門 新版』(岩波書店)、『「思考軸」をつくれ』(英治出版)、『ライフネット生命社長の常識破りの思考法』(日本能率協会マネジメントセンター)がある。

ライフネット生命HP

 


出口治明の提言:日本の優先順位

東日本大地震による被害は未曾有のものであり、日本はいま戦後最大の試練を迎えている。被災した人の生活、原発事故への対応、電力不足への対応……。これら社会全体としてやるべき課題は山積だ。この状況下で、いま何を優先すべきか。ライフネット生命の会長兼CEOであり、卓越した国際的視野と歴史観をもつ出口治明氏が、いま日本が抱える問題の本質とその解決策を語る。

「出口治明の提言:日本の優先順位」

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