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THINK WILD あなたの成功を阻むすべての難問を解決する
【第3回】 2017年6月9日
著者・コラム紹介バックナンバー
リンダ・ロッテンバーグ,江口泰子

スラム育ちのアルバイトが、年商8000万ドルに!? とてつもない成功を手にするための3つの教え
「今世紀最高のメンター」が明かす成功者の条件

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シリコンバレーから中東、アフリカ、そしてブラジルのスラム街まで、世界中のありとあらゆる国・地域で600社、1000人超の起業家を支援してきた「非営利ベンチャーキャピタル」、エンデバー。その稀有な組織を立ち上げたリンダ・ロッテンバーグによると、たとえシリコンバレーにいなくとも、胸に抱えたアイデアを実現し、成功するのに欠かせない3つの教訓があるという。
シェリル・サンドバーグも絶賛する著書『THINK WILD あなたの成功を阻むすべての難問を解決する』から、リンダが支援している起業家のひとり、レイラのケースをご紹介しよう。スラム育ちの彼女が、アルバイト暮らしから年商8000万ドルへの起業家として成功した理由とは?

境遇にも、周囲の声にも負けずに未来を切り拓いたレイラから学べることとは?

元マクドナルドのアルバイトから、数千万ドルを稼ぐ起業家へ

 レイラの話をしよう。

 レイラ・ベレーズはリオデジャネイロのスラム街で育った。母親はメイド。父親は用務員。1990年代初め、レイラはマクドナルドでハンバーガーを売っていた。だが、彼女には夢があった。

 自分のようなアフリカ系ブラジル人に合う、くせ毛用のヘアケア製品がないこと――レイラはそれを不満に思っていた。「貧しい女性だって、自分を美しく見せて誇りに思う権利があるはずだわ」。美容師で、義理の妹のジーカにレイラは言った。

 こうして1993年、商売もヘアケア製品についてもまったくの素人であるふたりは、レイラの家の地下室を“マッド・サイエンティストの実験室”に変えてしまった。そして、縮れたくせ毛を、美しいカーリーヘアに仕上げるシャンプーやトリートメントをつくり上げ、夫の髪を使って実験したのである。ところが、ふたりの夫の髪の毛は抜け落ちてしまった。

 レイラとジーカは実験室に戻り、試行錯誤を重ねてヘアケア製品を完成させ、ヘアサロンを開いた。薄暗い廊下の先にある30平方メートルにも満たない、お世辞にもお洒落とは言えない店である。「こんなみすぼらしい店に、客が来るわけないよ」。友だちは口々に言った。だが、ふたりは信念を貫いた。やがて、店は4時間から6時間待ちの女性客で溢れかえった。しかも、ふたりのヘアケア製品は客の髪質を変えただけではない。女性客は、レイラのおかげで自尊心が高まったと喜んだのである。

 わたしがこの話をすると、友人は決まってこう言う。「巷でよく聞く、マイクロファイナンスで成功した女性の話だね」。マイクロファイナンスとは、貧しい人が零細事業を立ち上げて運営するために、小口(マイクロ)の融資や保険などを提供する金融(ファイナンス)サービスを指す。

 だがレイラの場合、マイクロという言葉は似合わない。彼女の会社ベレーザ・ナチュラルは数年のあいだに、あちこちの“ヘア・クリニック”でいろいろなヘアケア製品を販売していた。そして2013年には、毎月10万人の顧客にサービスを提供し、2300人の従業員を抱え、毎年8000万ドルもの収益をあげていたのである

 それでは、レイラはどうやってそのとてつもない成功をつかんだのか。時給で働くマクドナルドのアルバイト店員から、数千万ドルを稼ぐフランチャイズ店のリーダーにどうやって上りつめたのか

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リンダ・ロッテンバーグ(Linda Rottenberg)

エンデバー(Endeavor)共同創業者兼CEO。
1997年、エンデバーを設立。以来、4万人を超える起業家と面談、審査の末1000人以上の起業家を支援し、その起業家たちが生み出す価値は年間70億ドル、これまでに生み出した雇用は40万人を超える。タイム誌「21世紀のイノベーター100人」、U.S. News誌「アメリカのベストリーダー」の1人に選出。
起業家精神、新興市場、技術革新、リーダーシップについて、最もダイナミックな専門家だとみなされていて、フォーチュン500に名を連ねる企業からも講演の依頼が引きも切らない。また彼女とエンデバーの事例は、ハーバード・ビジネススクールやスタンフォードなどで、ケースとして扱われている。数々の通り名が存在するが、その中でも特筆すべきものはトーマス・フリードマンによるもので、彼はリンダのことを、ベンチャーキャピタリストならぬ、人類初の「“メンター”キャピタリスト」だと名づけた。
夫はベストセラー作家でニューヨーク・タイムズ紙コラムニストのブルース・ファイラー。夫、双子の娘とともにニューヨーク、ブルックリンに住んでいる。

江口泰子(えぐち・たいこ)

法政大学法学部卒業。編集事務所、広告企画会社を経て翻訳業に従事。主な訳書に『道端の経営学』(ヴィレッジブックス)、『ビッグバン・イノベーション』『考えてるつもり』(ともにダイヤモンド社)、『使用人たちが見たホワイトハウス』(光文社)、『ケネディ暗殺 50年目の真実』『21世紀の脳科学』(ともに講談社)、『マイレージ、マイライフ』(小学館)、共訳に『真珠湾からバグダッドへ』(幻冬舎)など。


THINK WILD あなたの成功を阻むすべての難問を解決する

600社、1000人超の起業家を支援してきた
伝説の非営利ベンチャーキャピタル、エンデバー(Endeavor)。

シリコンバレーから中東、アフリカ、そしてブラジルのスラム街まで、
ありとあらゆる場所で夢に向けてもがく人たちを、
事業の立ち上げ(スタートアップ)から事業拡大(スケールアウト)まで幅広く支援を行う
「世界最大の起業家コミュニティ」だ。
創業から20年を迎えた2017年3月には、
松本大氏、孫泰蔵氏らが中心となり日本でも活動を本格化させ、注目を集めている。

そんな稀有な組織を立ち上げた稀有な創業者兼CEO、
リンダ・ロッテンバーグが初めて明かす「アイデアを形にする方法」をまとめた
『THINK WILD あなたの成功を阻むすべての難問を解決する』から、
そのエッセンスをご紹介しよう。

「THINK WILD あなたの成功を阻むすべての難問を解決する」

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