責任感と正義感が空回り
組織で浮く「不運」を招く習慣

 かたや、運の悪い人の多くは、実際には責任感と正義感がある。人一倍真面目で自分にも他人にも厳しいために、上司や他人のミスを人前で指摘することを躊躇しない。原因の追及を徹底的にやるだけでなく、誰にその責任があるかまでしっかりと分析して明確にしなくては気が済まない。ひとたび欺瞞に気づくと、小さな不正でも決してなあなあにはしない。大きな目的のために小さな不備や不正をのみこんだり、清濁併せ呑む、ということができないのだ。「一言多い」というタイプである。

 実際には客観的に見て正しいこと、全体にとって良いことを言っているにもかかわらず、組織の中では鼻つまみ者になってしまう。それでも、成果が出ているうちはよいのだが、一度でも失敗すると、周りから袋だたきに遭ってしまう。もしかしたらその人だけが悪いのではなく、元凶は他にあったかもしれないが、その人がスケープゴートのように、責任を引き受けざるを得なくなり、だんだん居場所がなくなっていく。上司や周囲から「引き下げられる力」を持っているのだ。そこで、心機一転、新天地を求めるために転職を試みるが、なかなか決まらず、不人気な会社、すなわち業績的に危ない会社の人員補充に入る。そしてそこでも組織の問題点を指摘し……という危険なサイクルに入ってしまうのだ。

 そして、この悪いサイクルに入ってしまうと、仕事で成果も出ず、だんだん自信を失い、あらゆることにネガティブな「文句言い」になり、最終的には、「マイナスの空気をまとう人」になってしまう。自分では何もしていないのに「幸多くプラスの空気をまとう人」とは正反対だ。悲しいけれども、どの会社にもこういう人が若干いる。