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組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進

「謎の出世」を遂げた人が偉くなれた本当の理由

秋山進 [プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役]
【第42回】 2016年5月9日
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あなたの会社にも「何であの人が偉くなれたんだろう?」と思われている人がいませんか?

 サラリーマンたるもの、表向きどう言っていたとしても、本音ではみんな偉くなりたい。できれば役員にはなりたいという強い思いがある(最近の若い人には本心から「偉くなりたくない」という人もいるようだが)。出世はビジネス人生そのものの成功の証であるし、ある意味サラリーマンにとっての「ゴール」だ。役員にさえなれば恵まれた天下り先もあり、経済的にも“メリットが大きい”立場なのだ。先月4月はさまざまな辞令が出る時期。妙齢のサラリーマンにとっては、悲喜こもごも入り混じったのではないだろうか。

 「第一選抜」とも呼べるトップ(社長)を狙うズバ抜けて優秀な人たちは、役員昇格は確定的なのでそれほど気を揉むことはない。逆に出世レースからはドロップアウトしている人は、自分のやりたいことをやって専任部長になったり、早めに次の人生を考えることができたりして、むしろ幸せかもしれない。一番気が気でないのは、多くの「役員当落線上」にいる人たちだろう。役員になれるか、なれないか…。40~50代のサラリーマンは、あらゆる方面に「おべっか」を使わなければならず、いろいろと大変なのだ。

 このようにサラリーマンの心を揺さぶる「出世」だが、どこの会社にも「何であの人が偉くなれたんだろう?」と不思議がられる人がいる。まともに働いている姿を見たことがなかったり、今は全然使えない人だったり。でも、彼らが出世したからには必ず理由がある。今回はそれを考えてみたいと思う。

「まともに働いていないのになぜ?」
そう思う人が偉くなれた10の理由

1、昔はすごかった

 部長のころは「鬼の営業部長」と呼ばれたなど、過去にはものすごい功績を残しているが、今はボーっとしたただのオジサン。現場には強いけど、上級管理職になったらまったく能力を発揮できない…というのはよくある話だ。

 ローレンス・ピーターは、「組織において、人はおのおのその無能レベルまで昇進する。したがって、組織はいずれすべて無能な人々の集団となる」と提唱した。能力主義で昇進が決まる組織では、「今よりもっと仕事ができる」と判断されればどんどん昇進していく。しかし、「このあたりが限界だ」と思われれば昇進はしなくなりそこでと止まる。したがって、どの組織もそこで止まった無能者で溢れてしまう。これが「ピーターの法則」と呼ばれるものだ。実際の企業でも、まさに彼の説を裏付けるようなことが起きている。

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秋山 進 [プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役]

リクルート入社後、事業企画に携わる。独立後、経営・組織コンサルタントとして、各種業界のトップ企業からベンチャー企業、外資、財団法人など様々な団体のCEO補佐、事業構造改革、経営理念の策定などの業務に従事。現在は、経営リスク診断をベースに、組織設計、事業継続計画、コンプライアンス、サーベイ開発、エグゼクティブコーチング、人材育成などを提供するプリンシプル・コンサルティング・グループの代表を務める。京都大学卒。国際大学GLOCOM客員研究員。麹町アカデミア学頭。

著書に『「一体感」が会社を潰す』『それでも不祥事は起こる』『転職後、最初の1年にやるべきこと』『社長!それは「法律」問題です』『インディペンデント・コントラクター』『愛社精神ってなに?』などがある。


組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進

日本には数多の組織があり、多くの人がその中に属しています。組織は、ある目的のために集まった人たちで成り立っているにも関わらず、一度“病”にかかれば、本来の目的を見失い、再起不能の状態へと陥ります。しかも怖いのが、組織の中の当人たちは、“病”の正体が分からないどころか、自分たちが“病”にかかっていることすら気づけない点です。

この連載では、日本の組織の成長を阻害している「組織の病気」を症例を挙げて紹介。コンプライアンスの観点から多くの企業を見てきた筆者が考える治療法も提示します。

「組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進」

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