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スマートフォンの理想と現実

グーグルが目指すケータイの創造的破壊と実効支配
「Google+」というスマホ時代の巧妙な仕掛け

クロサカタツヤ [株式会社 企/株式会社TNC 代表]
【第3回】 2011年7月27日
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戦略兵器としての「Google+」

 Google+(グーグル プラス)の成長がめざましい。サービス開始後1ヶ月足らずで、全世界で2000万人近くのユーザ数を集めたという報道もある。単純に考えれば、年内には1億人を突破する勢いだ。こんなスピードで普及したサービスは、これまで見たことがない。

 Google+は、いわゆるSNSの一つと考えられる。SNSやソーシャルメディアの定義は、実は結構曖昧なのだが、まずはfacebookやtwitterなどの対抗馬と考えるのが、とっつきやすい。

 あまり興味のない向きは、「何匹目のドジョウなんだ」あるいは「Googleよ、お前もか」という、やや食傷気味の印象を抱くかもしれない。ただ、これまでソーシャルメディアで失敗を重ねてきた同社が、満を持して投入しただけあって、よく考えられている。

 おそらくGoogle+であれば、最近日本のtwitterで増えている「読むだけ」のユーザも評価できるだろう。よりビジュアルに表現され、またコメントが荒れにくそうな構造でもあり、眺めているだけでもそこそこ楽しめそうだ。確かに、数週間で2000万人近いユーザを集めるだけはある。

 そんなわけで、ご多分に漏れず私もこのサービスを楽しんでいるわけだが、しばらく触ってみて、あることに気がついた。

 Google+は、単なるGoogleの新サービスではない。おそらく相当に周到な準備をもって作られた、いわば同社の戦略兵器である。そしてその戦略が達成された先には、もしかすると少々恐ろしい世界が、待っているかもしれない。

「Google+」の3つの特徴

 Google+のどこが戦略的なのか。数週間使った限りの印象だが、私は次の3点が気になっている。

 まずは、作り込まれたユーザインターフェース。もともとGoogleはシンプルなインターフェースを好んで採用するが、Google+は単にそれだけでなく、facebookやtwitterをある程度(受動的であっても)使ったことのある人なら、直感で理解できるものとなっている。

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クロサカタツヤ[株式会社 企/株式会社TNC 代表]

1975年生まれ。慶應義塾大学・大学院(政策・メディア研究科)修了後、三菱総合研究所にて情報通信分野のコンサルティングや国内外の政策調査等に従事。その後2007年に独立し、現在は株式会社企(くわだて)代表として、通信・メディア産業の経営戦略立案や資本政策のアドバイザー業務を行う。


スマートフォンの理想と現実

2011年はスマートフォンの普及が本格化する年になる…。業界関係者の誰しもがそう予感していた矢先に発生した東日本大震災は、社会におけるケータイの位置づけを大きく変えた。しかし、スマートフォンの生産に影響が及びつつも、通信事業者各社はその普及を引き続き目指し、消費者もまたそれに呼応している。震災を受けて日本社会自体が変わらなければならない時に、スマホを含むケータイはどんな役割を果たしうるのか。ユーザー意識、端末開発、インフラ動向、ビジネスモデル等、様々な観点からその可能性と課題に迫る。

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