三菱UFJニコス社長 和田哲哉<br />過払い利息返還請求は減少へ<br />カード業務は成長余地ありPhoto by Toshiaki Usami

──2年連続で最終赤字に陥っている。業績が低迷している理由は何か。

 貸金業法の改正や最高裁判決などにより、キャッシングは貸出残高が5000億円強と半減、おまけに(過去のキャッシング利用者による)過払い利息返還請求の発生も経営の重荷になっている。過払い利息返還請求が本格化する以前の2007年度の利益を分析すると、6割をキャッシングで稼いでいた。

 またクレジットカード業務にしても提携カードを中心に発行枚数を重視し過ぎて、実態としては赤字のカードがいくつかあった。今後は提携カード戦略を見直し、採算を重視していきたい。

──過払い利息返還請求は、今後も経営に大きな打撃を与えるのではないか。

 1~3月の返還請求受付件数は、対前年同月比で50~70%とピークアウト、武富士破綻による影響も限定的で、減少トレンドは定着してきたと考える。昨年度、約1000億円の増資を行い、直近の返還額で2・8年分という十分な引き当てを計上するなど手当てもすませており、ようやく過払いというくびきから脱し前向きな経営を行えるようになった。