前回までで、ソーシャルメディアが「何を拠りどころとするか」によって2つに大別できることを確認した。
さて、今回はソーシャルメディアを分類する際のもうひとつの軸、「求めるもの」に目を転じてみよう。この軸は「関係構築」と「情報交換」という2つに大別できる。関係構築のソーシャルメディアの雄は、フェイスブックやミクシィといったSNS。そして情報交換のソーシャルメディアには、日本最大の電子掲示板「2ちゃんねる」も含まれる。
【第1回】「ソーシャルメディアは死んだ」と言われる日は近い…?」から読む
【第2回】「ソーシャルメディアとサクラの微妙な関係」から読む
2ちゃんねるは社会の「現在」を伝える一大メディア
誹謗中傷が多いことで有名な「2ちゃんねる」が、なぜ人気があるのか不思議に思ったことはありませんか?
2ちゃんねるの画面表示のレイアウトは、発言されたばかりの最新スレッドが画面の左上から順番に並び、最も目立つように設計されています。一見、文字の羅列のみで荒削りに見えるデザインですが、情報の更新、ただその一点のみを強調してほかをばっさりと切り捨てたことで「現在」を演出することに成功しています。
2ちゃんねるでは、ありとあらゆる切り口の情報が交換されています。スレッドと呼ばれるいわば章にあたるものの数は、ある瞬間をとっても1万を超えます。
とても小さな話題であってもスレッドは立ちます(その中には、さほど有名でない個人や組織すらも含まれます)。それが「現在」の話題となればあっという間に大きなスレッドに発展します。
2ちゃんねるにアクセスすれば現在がわかる。現在に触れられる。自分も含めた参加者たちと現在において一緒になれる。そのメディアに触れる全員が参加者となります。
マスメディアは視聴者を「大衆」と呼びますが、2ちゃんねるはそれを「個人の集合」であるとします。このあたりの人気があるかぎり、2ちゃんねるは生き残るのだろうと思います。