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財部誠一の現代日本私観

なぜ東京ガスは大震災時に火災を防げたか――
日本はスマートグリッドの世界標準を目指せ

財部誠一 [経済ジャーナリスト]
【第7回】 2011年8月1日
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 私のオフィシャルサイト上で展開している経営者のリレー対談『経営者の輪』で、東京ガスの岡本毅社長の話をうかがう機会があった。

 東日本大震災で日本の都市ガス供給はどれだけ被災し、どのような対応があったのか。私の興味はその一点に尽きていた。

1日最大4000人が被災地に集結
復旧に奮闘した全国のガスマンたち

 「東京ガス管内の被害は、茨城県日立市にある日立支社の供給区域の約3万軒がすべて供給停止になり、その復旧に1週間ほどかかりました。日立以外の地域は、マイコンメーター作動による復帰出動こそ多数ありましたが、供給設備そのものの被害はほとんどありませんでした。問題は、仙台市を中心とする東北地方の太平洋沿岸、茨城県および千葉県・浦安沿岸の液状化地域にあるガス会社に対する支援でしたが、これらはほぼ同時に支援をスタートしました」

 日本全国、場所を問わず、大きな災害が発生した場合、全国のガス会社は一斉に日本ガス協会の指揮下に入り、できる限りの人員を動員して復旧にあたるという仕組みができている。全国には200を越える都市ガス事業者がいるが、関東の東京ガス、東海地方の東邦ガス、関西の大阪ガス、九州北部の西部ガスが「大手」と呼ばれるが、東北の災害復旧で中心的な役割を果たしたのは事業規模で群を抜く東京ガスと大阪ガスだった。

 「他地域の支援も同時並行的に進め、全力で取りかかりました。苦労もしましたが、過去のさまざまな経験や蓄積もあり、比較的順調に復旧活動を進めることができました。仙台については4月中旬にすべて復旧し、海岸地帯で被害が最も甚大だった石巻市も5月17日に完全復旧しています」

 社長の岡本によれば全国のガス事業者から被災地支援のために集まったガスマンは1日最大4000人に達したという。ことに阪神淡路の震災時に支援を受けた大阪ガスのガスマンたちが東北の被災地で見せた奮闘ぶりはマスコミでも大きく取り上げられた。

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財部誠一 [経済ジャーナリスト]

1956年生まれ。慶應義塾大学法学部卒業後、野村證券に入社。同社退社後、3年間の出版社勤務を経てフリーランスジャーナリストに。金融、経済誌に多く寄稿し、気鋭のジャーナリストとして期待される。BS日テレ『財部ビジネス研究所』、テレビ朝日『報道ステーション』等、TVやラジオでも活躍中。また、経済政策シンクタンク「ハーベイロード・ジャパン」を主宰し、「財政均衡法」など各種の政策提言を行っている。


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経済ジャーナリスト・財部誠一が混迷を極める日本経済の現状を鋭く斬るコラム。数々の取材から見えた世界情勢を鋭く分析するとともに、現代日本にふさわしい企業、そして国のあり方を提言していく。

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