交通網が減少する地方都市では、自家用車の相乗りを活用する取り組みが拡大している

「ライドシェア」が
急増している

 ここ2、3年、よく耳にするのが「シェアリングエコノミー」という言葉であり、部屋やオフィス、駐車場、洋服など、様々なモノやコトを分け合うことを意味している。中でも、近年急速に増えているのが自動車移動のシェア。いわゆる「ライドシェア」である。

 京都の京丹後市丹後町は、日本海に面した人口約7000人の町。この町では急速に過疎化が進み、鉄道やバスなどの公共交通が減少している。病院に通うことさえ一苦労のお年寄りを何とか助けようと始まったのが住民が自家用車を使って運ぶ、日本初の「住民タクシー」という取り組みである。通常、事業免許なしでの有料運送は道路運送法違反になるが、過疎地の特例措置を使って、地元のNPO法人が運行しており、お年寄りの移動手段の支えとなっている。

 ライドシェアをネットで展開するサービスも増えている。その1つが「notteco(ノッテコ)」である。これはドライバーと同乗者をマッチングする長距離相乗りサービス。ドライバーが同区間を移動する人を募り、ガソリン代、高速道路代をシェアする仕組みだ。現在、登録ユーザー数は3万6000人以上。年間約6000件の相乗りをマッチングさせている。

 利用は簡単。ドライバーが相乗り希望の日時、区間を提示しているので、相乗りしたい人は、それに申し込むだけだ。連絡はサイト内でやりとりができるようになっており、お互いの条件を交渉して相乗り成立となる。逆に、同乗したい人がドライバーへ呼びかけることもできる。

 相乗りのニーズは帰省や観光、大型イベントへの参加、登山やキャンプなどのアウトドア、ボランティア活動など様々だ。