ビットコインのスケーラビリティ(拡張性)を巡って、現在、白熱した議論が展開されている。今年の8月1日にビットコイン分裂の危機という重要な転機があり得るが、どのように決着するかは、ビットコインを保有している人にとって、重大な問題である。
ビットコインに投資をする人は、この問題が背後にあることを知っていることが望ましい。
ビットコインの将来を左右する
スケーラビリティとは何か
「スケーラビリティ」とは、利用者の増大に適応してシステムを拡張できる能力のことである。
ビットコインの取引は、10分間ごとに「ブロック」に記録される。1ブロックのサイズは、現在1メガバイトが上限。1秒間に7取引、10分につき1メガバイトまで、1日で最大60万4800取引までしか処理できない。
これは、他の決済システムに比べると非常に遅い。クレジットカードのVISAやMasterなどは、1秒間で最大4万5000取引まで処理できると言われている。通常は、この10分の1の処理を行なっており、1日あたり4億~5億の取引を処理している。
ビットコインは、現状のままでは利用者の増加に対応することができず、決済の遅延などの重大な問題に陥ることが懸念される。
そこで、ここ数年、ブロックサイズの引き上げの議論が熱心に行なわれてきた。