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“地震多発時代”はまだ始まったばかり!
首都圏が最も警戒すべき「巨大地震」発生の可能性
――東京大学地震研究所 佐藤比呂志教授に聞く

2011年8月12日
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東日本大震災から5ヵ月が経過した。しかし、現在も東日本を襲う大規模な余震が頻発、依然として被災地やその周辺では不安な状況が続いている。さらに先月、政府の地震調査委員会が神奈川県の三浦半島断層群でも地震発生確率が高まった可能性があると発表したことに伴い、首都圏でも巨大地震への恐怖心が高まっている。このように東日本大震災をきっかけに地震多発時代へと突入した日本だが、3月11日の大地震は日本列島にどのような影響を与えてしまったのか。そして、今後最も地震発生を警戒しなければならない地域はどこだろうか。震災直後から、首都圏にも甚大な被害を及ぼしかねない巨大地震発生の可能性を示唆していた東京大学地震研究所地震予知研究センター・佐藤比呂志教授に、これから最も警戒すべき地震と今すぐ行うべき地震への緊急対応策について話を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン 林恭子)

頻発する東北地方の余震終息には
数年を要する可能性も

――地震発生直後から多発している余震は今なお続き、内陸部でも大規模な地震が頻発している。なぜこれほど大規模な余震が長期間続くのか。また、いつになれば終息するか。

佐藤比呂志 東京大学地震研究所地震予知研究センター教授

 東日本の太平洋沖には南北に走る日本海溝があり、ここでは海側の太平洋プレートが東日本を載せているプレートの下に沈み込んでいる。この沈み込みによって3月11日までは日本列島を西へ押しつける力が働き、プレートの境界にひずみが蓄積されている状態だった。しかし、このひずみが限界を超えてしまったことで、東北地方太平洋沖地震が発生し蓄積されていたひずみが大きく解放された。

 そして地震直後から、日本列島に今まで押されていた力が解放され、地殻が東方、つまり太平洋のほうに一斉に動き出している。こうした地殻変動によって、震源域周辺の地下における力のかかり方が大きく変化し、岩盤の状態が不安定になっている。そこで、岩盤内にかかっている力の調整が進行し、東北沖はもちろんのこと内陸でも浅い地震が頻発したと考えられる。実際、本震直後には、長野県北部と新潟県との県境付近を震源としたM6.7の地震が発生し、家屋などにも大きな被害が出ている。

 これまでも大規模な海溝型の地震発生の後には余震がしばしば発生しているが、その発生頻度は時間が経つごとに減少していくことがわかっている。今回もその減少の仕方は一般の地震と変わらずに進行するだろう。ただ、M9.0と極めて規模が大きかったために、通常ならば沈静化する時期にも余震が起きている。そういう意味では自然な状態だが、3.11前までの正常レベルに戻るには有感レベルでも数年の時間を要するだろう。

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