佳食漫遊!ニッポンの郷土料理
【第4回】 2011年8月17日 橋本裕之

鶏のもも焼き―本場宮崎の味!豪快な火と煙で仕上げるワイルドな絶品

 宮崎といえば、一年を通じて、温暖な気候で、ゴルフや、プロスポーツチームのシーズンオフのキャンプなどでも有名だが、前知事の東国原氏が、2007年に知事に就任して以降、非常に全国的に注目されたのが、宮崎の畜産である。牛も豚も鶏も日本有数の生産高を誇る。今回はそんな宮崎を代表する鶏の名物料理を頂こう。

 今回訪れたのは、新宿にある『たもいやんせ』(都城の言葉で「めしあがれ」という意味)。宮崎出身の四宮(しのみや)さんが店長で、焼酎も食べ物もまさに宮崎の味。特にオーナーの出身の日南方面のものが多い。

調理法も見た目もワイルドな『もも焼き』は
味もワイルドな旨さ

 まずは宮崎を代表する鶏料理、『もも焼き』だ。宮崎のもも焼きは、鶏を皮ごと大きくブロック状にカットして炭火で焼く。そして鶏の表面の脂に煤がつき、黒っぽい外観なのが最大の特長だ。そして、非常に歯応えがある食感も印象に残る。

表面を黒っぽく焼きあげるのが『もも焼き』の特長。見た目以上に鶏のジューシーさを感じる食感。

 もも焼きの注文が入ると「ゴゴゴーーー!」と音こそ聞こえはしなかったが、焼き場から、豪快に火が立ち昇るのが見えて、いかにも旨そうな演出だ。

 店長に聞いたところ、炭自体に、あえて鶏の脂を直接落とすように焼くそうだ。これにより、一気に火と煙が出るのと、鶏の脂の香りが煤に混ざって、鶏のジューシーさが増す。実にワイルドな調理法だが、焼き上がりもワイルド。味はといえば、黒っぽい見た目の割にはまったく炭化しきった感じはしない。歯応えがあるのにパサパサせず、鶏のジューシー感があるのはこうした焼き方に秘訣があるのだ。

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橋本裕之

飲食店から蔵元訪問など、豊富な食べ飲み歩きの経験から、出版やWEBなどで、食と酒をテーマにした編集やライティングに関わる。過去の執筆に『dancyu』(プレジデント社)、『本格焼酎ぐびなび』(誠Style)など。SSI認定焼酎アドバイザー。ティーコンシェルジュ2級。


佳食漫遊!ニッポンの郷土料理

土地々々の風土に磨かれ、伝え継がれてきた日本の郷土料理を、料理の歴史や地域の慣習などを交えて紹介。その素晴らしさ、味わい深さを再確認していただければ幸いです。

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