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混迷日本で幸せになるための“21世紀型”リテラシー
【第4回】 2011年8月22日
著者・コラム紹介バックナンバー
山口揚平 [ブルーマーリンパートナーズ 代表取締役]

世界は三層構造でできている
「国家」「企業」より重視したい所属先は?

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三層のなかでは、「企業」に続き
「個人間ネットワーク」が台頭

 三つの層とは何か? 

 まず第一層として、地政学的に切り分けられた『国家(ソブリン)』、その上に第二層として、国境を超えて地上をまるで雲のように漂う『企業(グローバル・カンパニー)』、最後に第三層として、さらにその上にオゾン層のように点在し結びつきあう『個人間の紐帯(ネットワーク)』がある(図1)。

図1 世界の三層構造

 今、起きていることは、これまでぼんやりと分かれていたもののそれほど意識されてこなかった、この『国家』『企業』『個人間の紐帯』という三つの層がくっきりと分かれ、それぞれが対等の立場を持ち始めている、ということである。

図2 グローバル企業の売上高は中堅国家のGDPを凌ぐ!
~国家のGDPと企業売上高(オレンジ)を多い順に並べたランキング~
拡大画像表示

 『国家(ソブリン)』について、言うべきことはそれほどない。

 国家とは知っての通り、地政学的に分割され、政府によって統治されている地域コミュニティのことだ。人々は、身体的な移動コストを理由に何千年もこの国家というコミュニティに依存して生きてきたし、今もそうだ。国家は、政治的には巨大だが、その債務をみれば明らかなように、先進国も途上国も、経済的には瀕死の状態にある。

『企業(グローバルカンパニー)』の存在感は、人々の想像以上に大きくなっている。GE(ゼネラル・エレクトロニック社)には病院から学校までなんでもそろっているし、アップルがアメリカ政府より多くの現預金を保有していることはよく知られている。

 世界のGDPをみれば、第1位はアメリカ、第2位に中国、第3位日本と誰でも知っている先進国が続くものの、25位のウォルマートを皮切りに、29位にロイヤルダッチシェル、41位にトヨタ自動車など、徐々に『企業(グローバルカンパニー)』が登場し始める。なんと2010年の世界のGDP(企業の場合、売上高)のトップ100のうち、4割以上を『企業(グローバル・カンパニー)』が占める(図2。オックスフォード大学で企業の世界分業を研究している琴坂将広氏に依頼して作成した資料による。GDPも売上も名目を用いている)。

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    山口揚平 [ブルーマーリンパートナーズ 代表取締役]

    早稲田大学政治経済学部卒。1999年より大手コンサルティング会社でM&Aに従事し、カネボウやダイエーなどの企業再生に携わった後、独立・起業した。企業の実態を可視化するサイト「シェアーズ」を運営し、証券会社や個人投資家に情報を提供、2010年に同事業を売却後、12年に買い戻した。現在は、コンサルティングなど複数の事業・会社を運営する傍ら、執筆・講演を行う。専門は貨幣論・情報化社会論。著書に『なぜか日本人が知らなかった新しい株の本』(ランダムハウス講談社)』『企業分析力養成講座(日本実業出版社)』『そろそろ会社辞めようかなと思っている人に、一人でも食べていける知識をシェアしようじゃないか(アスキー・メディアワークス)』。
    ブルーマーリンパートナーズ 公式サイト http://www.bluemarl.in/
    Twitterアカウント http://twitter.com/yamaguchiyohei

     


    混迷日本で幸せになるための“21世紀型”リテラシー

    「唯ぼんやりとした不安」を理由に、芥川龍之介が自殺したのは35才のときだった。80年以上前の、繊細で複雑な作家の心境と単純に比較はできない。だが現代の若者には、将来への不安感がより広く蔓延しているのではないだろうか。日本の財政は危機的状況にあり、経済も低成長化が加速するなか、個人も国も変化を求められ、将来の見通しは不明瞭だ。たとえば、よい学校へ行き、大企業に入るーーーーそんな、高度成長期に一般的に良いとされた働き方や価値観も大きく揺らいでいる。今、私たちを取り巻く環境はどのように変わろうとしているのか? また、そのなかで生きていくために求められるリテラシーとは何か? グローバル・コンサルティング会社勤務に始まり、起業や事業売却を、30代前半までに経験した山口揚平が、痛感した社会の変化とサバイバル術を語る。

     

    「混迷日本で幸せになるための“21世紀型”リテラシー」

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