「原子力安全庁」設立において
気をつけるべき3つのポイント
政府は8月15日、経産省から原子力安全・保安院を分離し、内閣府の原子力安全委員会などと統合、新たに環境省の外局として「原子力安全庁」(仮称)を設置することを閣議決定した。
環境省に置くか、それとも内閣府に置くかはまだ異論のあるところ。全く独立した組織にすることも前向きに検討する余地はある。
いずれにしても、今後の原子力安全行政には、内外の厳しい目が注がれている。中途半端なことは決して許されないことを関係者は肝に銘じるべきである。
新機構は来年4月の発足を目指し、1月召集の通常国会で関連法案を成立させる予定だという。
この新機構の設立に際しては、次の諸点に注目しなければならない。
(1)経産省、文科省、内閣府などが省益の観点から無用な介入をしないように、政治と民間の主導で進めるべきこと。特にその設置法案は国民的議論の中で政治主導によって作成することが望ましい。
(2)新しい組織は、いわゆる“原子力村”に属してきた人を極力排除し、これまで原発の安全性に警鐘を鳴らしてきた人たちが中心となるように配置すべきである。
(3)経産省など過去の原子力行政に関与してきた人たちを完全に排除せよとまで言わないが、再び元の省に帰れないように人事交流を法的に厳しく制限することが必要だ。
首相職よりも持ち味を発揮?
「原子力安全庁」担当相に菅氏を推す理由
さて、私は新首相が誰になっても新機構の設置を担当する閣僚を置くべきだと考えている。