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うつ病を客観的に診断するための足がかり
光トポグラフィー検査の実力

武田京子 [毘沙門堂編集記者]
【第8回(最終回)】

現代のストレス社会の中でうつ病患者が増え続けている。ところが、うつ病の診断は、患者から聞き取った症状や言動から行っており、他の病気のように血液検査や画像診断といった客観的な指標がないため、うつ病かどうかの判断が難しい場面も少なくなかった。2009年に先進医療に承認された「光トポグラフィー検査」は、うつ病を客観的に診断するために役立つと考えられている技術だ。誤診される可能性が少なくなるなど、うつ病なのだろうかと悩む人には朗報だ。

精神医療分野で初めて先進医療に承認

 「うつ病」にかかる率は高く、生涯に1度でもうつ病になる率は6~12%という試算もあるほどだ。患者数は増え続け、厚生労働省の患者調査によると、医療機関で治療を受けているうつ病(躁うつ病患者を含む)の数は、1996年には約43万人だったが、2008年には104万人を超え増加の一途をたどっている。治療を受けていない人も多い。

 うつ病は、本人がつらいばかりではなく、家族など周囲の人間も接し方に気を使うなど、影響の及ぶ範囲が広い病気だ。何より、少なからず自殺を招く「致死的な病」の面を持つことから、適切な診断と治療が必要となっている。

 しかし、がんや心筋梗塞といった「体」の病気が、血液検査や、画像診断などの客観的な指標に基づいて診断されるのに対し、うつ病にはそうした客観指標がない。このため、患者から聞き取った症状や言動から、医師が世界的な診断基準と照らし合わせ、さらに医師の診療経験などから、うつ病かどうかを診断していたので、誤診も少なくなかった。

 今回紹介する「光トポグラフィー検査」は、こうした心の病気の診断を客観的に行うための技術の一つで、2009年に「光トポグラフィー検査を用いたうつ症状の鑑別診断補助」として、精神医療分野で初めて先進医療の承認を受けた。

 光トポグラフィー検査は、近赤外線という光を使った検査法。近赤外線は、銀行のATMの手のひらや指の静脈認証などに使われているもので、血液の中で酸素を運ぶヘモグロビンに吸収される性質がある。この検査では、近赤外線を頭部に照射し、反射して戻ってきた光を検出することでヘモグロビン濃度を割り出し、脳の表面(大脳皮質)の血流の状態を波形として表す。

 脳が活動すると、血液の量(血流)が変化して、光トポグラフィー波形が変化する。その変化は、うつ病、躁うつ病、統合失調症といった疾患により、独自のパターンがあることがわかっているので、うつ病の診断の助けになるというわけである。

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武田京子 [毘沙門堂編集記者]

総合医学出版社・毘沙門堂の編集記者。新聞系出版社で医学専門雑誌、医療・福祉施設向け経営誌、健康雑誌などの記者として、医療・健康分野での取材・編集キャリアを積む。現在は、医学専門誌、消費者向け健康誌、一般紙などを通じ、様々な読者層に向けて、医療、健康分野に関する記事を発信している。


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