「自分にいい影響を与える人」を見つけるコツ、たった1つの注目ポイントとは?写真はイメージです Photo:PIXTA

「生き方や感情は顔つきに現れる」という楠木新さん。著述家として多くの人を取材し、さまざまな「顔」に接してきた経験から、いつしか「顔の研究」がライフワークになったと言います。『豊かな人生を送る「いい顔」の作り方』第14回は、自分に好影響を与える人物を探すアンテナとして“いい顔”を活用する術について論じます。

ふと目に留まった“いい顔”
記事を読んでみると……

 人は意識的にも、無意識的にも、“いい顔”に引かれるものです。では、“いい顔”とは何かというと、自分にとって好ましい表情や顔つきを意味すると私は考えています。

「なんだ、単に好みの問題じゃないか」とあきれる人もいるかもしれません。しかし、時に自分にとっての“いい顔”の持ち主が、人生を大きく変えてくれたり、また救ってくれたりすることがあるので決して馬鹿になりません。

 私自身、生命保険会社に勤めていた40代後半に働く意味に悩み、うつ状態で会社を休職していた時期に迎えた正月のことです。

 何気なしに2003年の元旦の新聞をめくっていたところ、たまたま視界に飛び込んできたある男性の写真を見て、「なんだかこの人、とてもいい顔をしているな」と、妙に興味がわきました。

 その「元気のお年玉」というタイトルの記事を読んでみると、竹原信夫さんという人物が、日本工業新聞社の大阪経済部長から、小さな月刊紙「“日本一”明るい経済新聞」の、たった1人の記者兼編集長に転身した話でした。

 この人はなぜ、大手新聞社の安定性を捨てて、チャレンジに乗り出したのか?ますます関心は増していきます。