働く人がアホらしくなるのが悪い会社、働かない人が居づらいのがいい会社

本当に「働きやすい」環境とは?

 社員に働きやすいオフィス環境を提供する――そう話す経営者が多くなりました。社内のレイアウトを変えたり、机や椅子を一新して、快適なオフィスを作ることはもちろん悪いことではありません。しかし、ハードを整えただけでは、働きやすい環境を提供したことにはなりません。「働きがい」のある会社を作らなければならないのです。

小宮一慶
小宮コンサルタンツ代表

 働きがいのある環境を作るためには、社風や雰囲気を整える必要があります。そのためには、経営者は「信賞必罰」で臨む覚悟を持つ必要があります。

「良い仕事」をした社員を正当に評価して褒め、働きの悪い人よりも評価される。それが働く意欲を高めることにつながります。ちなみに私が定義する「良い仕事」とは(1)お客さまが喜ぶこと、(2)働く仲間が喜ぶこと、(3)工夫の3つのことです。

 そうはいっても社内を見渡すと、仕事に燃えている社員ばかりがそろっているとは限りません。会社に定時に来ることが仕事、就業時間中 “拘束”されていることが仕事だと思っている人もいるはずです。

 そういう人にはまず、「会社は働きに来る場所だ」という至極当たり前のことを理解させ、会社が求めているのは「貢献」だということを教えなければなりません。

 そうしないと、会社はお客さまや働く人、そしてひいては社会に貢献しないからです。そのためにも「信賞必罰」が必要なのです。