不祥事が度々あっても、韓国経済は財閥依存体質からは脱却できない。8月7日、韓国前大統領への賄賂提供事件で検察側はサムスン電子副会長に懲役12年を求刑した Photo:代表撮影/ロイター/アフロ

 現在、韓国経済はゆるやかに回復している。それを支えているのが、サムスン電子をはじめとする財閥企業だ。ただ、一部の財閥企業に依存するだけでは国民の間の格差が広がり、長い目で見て韓国経済の実力を高めることにはならないだろう。

 これまで革新を呼びかけてきた文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、財閥への依存度の高い経済構造を改革し、韓国経済が抱える問題の解決に向かうことが必要になる。

 最大の問題は、北朝鮮の脅威がある中で、将来の経済を見据えた抜本的な改革に取り組むことができるか否かだ。ここまでのところ、文政権は初動動作を誤ったように見える。会話をまったく受け付けない北朝鮮との融和姿勢を前面に打ち出し、中国との関係強化を進めてきた。

 経済面では、財閥の再編や競争原理の発揮ではなく、財閥企業への依存度はさらに高まっている。文政権は財閥の解体など抜本的な改革に伴う痛みを恐れているのかもしれない。当面、不満解消を狙った近視眼的な政策運営が続くだろう。それでは、韓国が抱える問題の根本的な解決にはならない。

韓国経済を支える
サムスンの実力

 北朝鮮問題への不安がある中でも、韓国最大の財閥企業であるサムスンは一貫して業績の拡大を遂げている。4~6月期、中核企業であるサムスン電子の業績は半導体事業の成長に支えられて過去最高の営業利益を記録した。この結果、同社は、過去24年間にわたって世界の半導体市場のトップに君臨してきた米インテルの売り上げを上回り、世界トップの半導体メーカーの座を手に入れた。

 サムスンは有機ELパネル市場でのシェアも拡大している。7月に同社は韓国国内で2兆円規模の設備投資を発表した。今後もシェアの拡大を軸に、業績は拡大基調で推移する可能性があるだろう。