都市部の地価が「生産緑地の2022年問題」で大きく変動しそうだという話が、最近よく語られる。これは他人事ではない。真偽のほどはどうか、暴落が起きるとしたらどこのエリアかを検証しよう

 地価の変動は国民的課題である。日本の持ち家率は61%と、自宅を所有している人は多い。個人資産の約半分が実家を含む不動産なので、相続人(相続で資産をもらう人)にも関係する。さらに、これからマンションや戸建を自宅として購入する人まで含めると、地価が個人資産に影響しない日本人は少数派になる。

 その地価が2022年に大きく変動しそうだというのだから、他人事ではない。これを期に地価が下がり、マンション価格が下がるという人もいるが、真偽のほどを確かめておこう。

生産緑地の2022年問題とは?
法律施行時に起きた大パニック

「生産緑地」という看板が立った農地を見たことがある人も多いだろう。その土地は、住宅地にありながら農地として扱われ、毎年の固定資産税や相続税において格段の恩恵を得ている。現行の生産緑地法が施行された1992年に生産緑地の指定を受けた土地は、30年経った2022年に制度の期限が来て、行政に買い取りを申し出ることが可能になる。しかし、行政は財政難からその土地を買い取りそうにない。そんななかで生産緑地指定が解除されると、大量の土地が売却される可能性がある。土地の大量供給が一時期に行われると、需給バランスが崩れ、地価が大幅に下がるのではないか、と懸念されているのだ。これが、「生産緑地の2022年問題」である。

 2022年から遡ること30年前に現行の生産緑地法が施行されたとき、不動産市場に大パニックが起こっている。バブルはすでに崩壊していたが、地価が急上昇した余波を受け、賃料もかなり高水準に上がっていた頃だ。そこに生産緑地法が施行され、生産緑地指定された土地は農地と同様の極端に低い税額になるが、それ以外は宅地並み課税されることになった。

 そうなると、所有しているだけで宅地として評価された高額の土地に対して固定資産税・都市計画税が課せられる。2つの税率を足し合わせて1.7%なので、土地の評価額が1億円なら、170万円を毎年払い続ける必要が生まれる。

 そのため、アパートが大量に建った。なぜなら、賃貸住宅を建てると固定資産税が6分の1に軽減されるなどの税制優遇があるからだ。結果として、バブルが崩壊していたところに新規の賃貸住宅供給が大量に行われたので、需給バランスが悪化し、募集賃料が大幅に下がることになったのだ。