アウトドアブランドARC’TERYXはなぜ選ばれ続けるのか。企業成長を支えるマーケティング戦略とブランド哲学に迫るアメア スポーツ ジャパン
高木 賢 アークテリクスブランドヘッド

アウトドアブランドのARC’TERYX(アークテリクス)が出店攻勢を強めている。右肩上がりの成長を支えるマーケティング戦略、製品の根幹にあるブランド哲学について、国内でブランドヘッドを務めるアメア スポーツ ジャパンの高木 賢氏に話を伺った。

11月30日、新宿アルタ横に国内最大規模の旗艦店がオープン

 カナダ発のアウトドアブランド、アークテリクスの出店が加速している。

 2023年秋の東京・銀座、大阪・心斎橋、福岡の出店に続いて、24年11月9日に「神戸ブランドストア」を移転拡大し、リニューアルオープンしたほか、同月30日には、国内16店舗目となる「新宿ブランドストア」を立て続けにオープンする。

 こうした攻めの出店戦略の背景には、「ブランドストア自体が最高のゲストエクスペリエンス(顧客体験)を提供する舞台であるという考えがあります」と高木氏は語る。

 日本市場でアメア スポーツ ジャパンによるアークテリクス事業の本格展開がスタートしたのは14年のこと。同年5月にオープンした最初の直営店「原宿ブランドストア」を皮切りに、七大都市への出店を進め、徹底したブランディングで多くのファンを獲得。

「現在の購買層はライト・アウトドアユーザー、ファッションユーザー、インバウンドのお客さまが圧倒的に多くを占めています」

 幅広い層に支持された同ブランドの売り上げは、この10年で右肩上がりに推移している。

 そんな多くのユーザーの受け皿として、新宿駅東口の「新宿アルタ」横という好立地に、全4フロア、総面積683.99平方メートルの国内最大規模の旗艦店「新宿ブランドストア」を出店するが、その4階は「最高の顧客体験」を提供するという意味で特に大きな役割を持っているという。

 次のページでは、「新宿ブランドストア」4階に込められたストーリーをひもといてゆく。