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第2次リストラ時代(!?)に贈る 私が「負け組社員」になった理由

カリスマ女性社員から、ウザいKYオバサンに・・・。“時代遅れのジャンヌ・ダルク”と化した女課長の末路

――過去の栄光から卒業できずに転落した平泉氏のケース

吉田典史 [ジャーナリスト]
【第16回】 2009年3月30日
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 「男が昇進や配置転換で、何かと優遇されている」――こうした不満は、女の社員からよく聞くことである。それが事実であるかどうかはともかく、露骨に「女を蔑視している」などと批判を続けると、男たちはもちろん、女からも煙たがられる存在となりうる。

 今回は、会社の「男尊女卑」の体質を批判し、女性の権利を求めて闘い続けた女性社員が、時代とともに周囲から乖離し、やがて排除されていく様子を紹介する。

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■今回の主人公
平泉 範子(仮名、53歳女性)
勤務先: 大手教材会社(従業員1500人)。主に、社会人向けの通信教育を主力商品として、躍進を続けてきた。昨年の秋以降は不況のため、業績は落ち込んでいる。女の社員が全体の7割近くを占めることから、マスコミでは、「女性社員が働きやすい会社」と取り上げられてきた。平泉は、広報部の広報課長。かつては、労働組合の役員として活躍した。
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(※この記事は、取材した情報をプライバシー保護の観点から、一部デフォルメしています)

権力志向の強い、女親分

 「潮田のおっさんをみんなで蹴飛ばしてやろうか……」

 会議室に、課長の平泉の声が響く。6人の部員は、うつむく。平泉が、上司であるはずの部長の潮田を批判し始めた。

 「あの部長は、女である私を軽く見ているのよ」

 「……」

 平泉は午前中に、潮田から「もう少し報告をしてほしい」と注意指導を受けたことが気にいらないようだ。

 平泉は、日ごろから上司にほとんど報告をしない。自分の仕事に口出ししてくる者には、決まって「女を馬鹿にしている」と批判をする。

 「あのおっさんだけじゃない。この会社の経営陣が、“女を大切にする”なんて言うけれど、私は信じないね。組合の役員を何度もやってきたから、社長や役員の考えていることは全部お見とおしなのよ」

 平泉は20代のころに、社内の労働組合に入り、長きにわたり“闘志”として活躍してきた女性。30代後半に副委員長をしていたときには、育児休業に関する協定やセクハラ防止協定の締結にまでこぎつけた。そのため、女たちから圧倒的な支持を得ていた。昼食時には、平泉のそばに、つねに10人前後の女たちが集まるほどだった。

 しかし、部長や役員の男からは、目の敵にされてきた。「権力志向の強い、女親分」「情緒不安定な、女番長」と陰口をたたかれた。男たちは、平泉がいつも「男VS女」という図式でとらえていくことに、辟易していた。

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吉田典史 [ジャーナリスト]

1967年、岐阜県大垣市生まれ。2006 年からフリー。主に人事・労務分野で取材・執筆・編集を続ける。著書に『あの日、負け組社員になった・・・』『震災死 生き証人たちの真実の告白』(共にダイヤモンド社)や、『封印された震災死』(世界文化社)など。ウェブサイトでは、ダイヤモンド社や日経BP社、プレジデント社、小学館などで執筆。


第2次リストラ時代(!?)に贈る 私が「負け組社員」になった理由

会社から冷遇され、気がつくと「負け組」となってしまった人たちを毎回取材。彼らの実体験を振り返ることで、企業の冷酷さだけでなく、自己防衛できなかった敗因を分析。第2次リストラ時代で生き残る術を探る。

「第2次リストラ時代(!?)に贈る 私が「負け組社員」になった理由」

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