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マイホームはこうして選びなさい
【第6回】 2011年9月15日
著者・コラム紹介バックナンバー
長嶋 修 [株式会社さくら事務所 代表取締役社長]

マイホーム「他より高く売ります」広告のウソ!
「自宅を早く、高く売るコツ」教えます。

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これから自宅の売却を考えている方に「自宅を早く、高く売るコツ」をお知らせする。不動産仲介会社がわざわざ説明しない業界構造、知っておくと得をする知識やノウハウがたくさんある。これらを知っているかいないかで、その結果には雲泥の差が出るのは、業界人なら周知の事実だ。

高すぎる不動産査定には要注意!

 不動産の売却を思い立ったら、売却価格の査定を不動産仲介会社に依頼する。このとき、一社の査定だけでは価格の妥当性について相場観がつかめないから、複数社に査定依頼すること。多すぎてもやり取りが大変だから、3社程度が適当ではないだろうか。

 一通り査定が出そろったら、それぞれの価格を見比べる。実際にはどこの査定価格にも、大きな差はなく、その幅はせいぜい前後5%のレンジに収まる。宅地建物取引業を行っている不動産仲介会社は「REINS(レインズ)」というネットワークシステムでつながれている。REINSとは国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営・管理している不動産流通標準情報システムで不動産の売出価格・成約価格などの膨大なデータを自由に見ることができるようになっている。不動産仲介会社はこれらの事例を見ながら査定価格を出すのだ。

 不動産仲介会社から査定価格が出てきたら、まずは異常に高い価格を出してきた会社をはじく。3社に査定を依頼し、「A社 2000万円」「B社 1980万円」「C社 2500万円」なら、C社は検討除外だ。

「ウチは他より高く売ります」と説明する不動産仲介会社は、売却の依頼をもらいたいがために、売れもしない査定価格を出している可能性が高い。売りに出されたあなたの物件は、後述する「専任媒介物件」であれば必ず、先述のレインズネットワークに登録され、瞬時にすべての不動産仲介会社に情報が共有される。ゆえに、どこか特定の会社だけが高く売ることができることは論理的にありえない。そもそも不動産には相場というものがある。

 「○○マンションを探している方がいます」

 マンションにお住まいの方なら、このようなコピーの入ったチラシがしょっちゅうポストを埋め、うんざりしている人も多いだろう。「ウチのマンションは人気があるのだな」と思っている方もいるかもしれない。だが残念ながらそれは違う。

 不動産仲介会社はあくまで、「売却の契約」がほしいため、そういったセールストークを書いたチラシを入れていることがほとんど。ごくまれに、特定のマンションを探している人のためにそのマンションにチラシを投函することもあるが、このような非効率なことはめったに行わないものだ。

 むろん、少しでも高く売る方法を売主にアドバイスする不動産仲介会社も存在するが、それは物件の魅力を増すための工夫であり、特定の会社だけが高く売れるということはまずないと考えていい。

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長嶋 修 [株式会社さくら事務所 代表取締役社長]

1999年に業界初の個人向け不動産コンサルティング会社である株式会社さくら事務所を設立。以降、様々な活動を通して"第三者性を堅持した個人向け不動産コンサルタント"第一人者としての地位を築いた、不動産の達人。
国土交通省・経済産業省などの委員も歴任し、2008年4月、ホームインスペクション(住宅診断)の普及・公認資格制度をめざし、NPO法人日本ホームインスペクターズ協会を設立、初代理事長に就任。
複数の法人を経営する他、TV等メディア出演、不動産・経済セミナー講師、出版・執筆活動等、幅広く活躍中。『不動産のプロから見た日本経済の活路~「ポスト成長経済社会」を豊かに生きる方法』(PHP)他、著書多数。


マイホームはこうして選びなさい

これまで私たちのマイホーム選びは基本的に、交通や生活の「利便性」や地価といった、「価格」との兼ね合いを中心にしてきました。希望の立地条件を前提に、便利でかつ割安な物件を探すのが「賢いマイホーム選び」だと考えられてきたのです。
しかし、今回の東日本大震災では、大津波をはじめ地盤の液状化や斜面地でのがけ崩れで多くの住宅が被害を受け、土地の安全性がクローズアップされました。また、建物に被害はなくても上下水道など周辺のライフラインがダメージを受け、生活に深刻な影響が及ぶことも多くの人が認識しました。
これからのマイホーム選びでは、建物の耐震性が従来以上に重視されるとともに、土地の安全性やライフラインの災害対応力など従来あまり意識されてこなかったポイントも問われることになるはずです。
マイホームをめぐる状況が大きく変わろうとしているとき、最低限知っておきたい基本情報とマイホーム選びのヒントを提供するため、さくら事務所の総力をあげて書籍『マイホームはこうして選びなさい』を企画しました。今回の連載では、「マイホーム選び」を考える新しい道しるべとして、10回にわたりそのポイントをお伝えしていきたいと思います。

「マイホームはこうして選びなさい」

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