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マイホームはこうして選びなさい
【第8回】 2011年9月22日
著者・コラム紹介バックナンバー
長嶋 修 [株式会社さくら事務所 代表取締役社長]

ロシアンルーレット市場でババ中古物件を引くな!

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中古住宅を選ぶのは、まるで「ロシアンルーレット」のよう。欠陥住宅や事故物件など、どんなものを掴むかわからない一方で「お宝ヴィンテージ住宅」ともいえるお得な中古住宅が見つかることも。なぜこのようなことになっているのか。

玉石混交の中古住宅市場

 実は、中古住宅の査定の場面では、建物についてあくまでも表面的なところしか見ていない。最も重要なのは築年数で、あとは大きさや間取りや設備を見る程度と非常に大雑把だ。

 中古住宅の査定には、特段の資格は必要なく、不動産仲介業の営業担当者が行うのが通常の姿だ。(財)不動産流通近代化センターが作成した「中古住宅査定マニュアル」があり、表向きはこのマニュアルに従って査定を行うことになっているが、実際、現場ではこのマニュアルどおりの査定はほとんど行われていない。約10年で半値、25年程度でゼロになるという、非常に大雑把な感覚で、中古住宅の価格査定が行われているのが実情である

 私自身、この業界に始めて足を踏み入れたときの衝撃は今でも忘れられない。不動産という、数千万、時には億単位の買い物なのに、売主も買主も、不動産仲介の担当者でさえも、取引に関わる誰も建物のことをきちんと把握しないまま、取引が行われているのだ。結果「何をつかむかわからない」というロシアンルーレットのような市場が出来上がっている

 では、このような玉石混交の住宅市場で、どうやって「お宝ヴィンテージ住宅」を見つけるのか。実は欧米では、中古住宅を購入する際には、建物の専門家である「ホームインスペクター(住宅診断士)」が、その知識や経験に基づいて一通りのチェックを行っている。このチェックを「ホームインスペクション(住宅診断)」という。

 先進国では、住宅取引を行う際に、第三者の建物専門家であるホームインスペクター(住宅診断士)が建物をチェックするのは常識だ。日本ではつい最近になってやっと根付き始め、これから常識になろうとしている。

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長嶋 修 [株式会社さくら事務所 代表取締役社長]

1999年に業界初の個人向け不動産コンサルティング会社である株式会社さくら事務所を設立。以降、様々な活動を通して"第三者性を堅持した個人向け不動産コンサルタント"第一人者としての地位を築いた、不動産の達人。
国土交通省・経済産業省などの委員も歴任し、2008年4月、ホームインスペクション(住宅診断)の普及・公認資格制度をめざし、NPO法人日本ホームインスペクターズ協会を設立、初代理事長に就任。
複数の法人を経営する他、TV等メディア出演、不動産・経済セミナー講師、出版・執筆活動等、幅広く活躍中。『不動産のプロから見た日本経済の活路~「ポスト成長経済社会」を豊かに生きる方法』(PHP)他、著書多数。


マイホームはこうして選びなさい

これまで私たちのマイホーム選びは基本的に、交通や生活の「利便性」や地価といった、「価格」との兼ね合いを中心にしてきました。希望の立地条件を前提に、便利でかつ割安な物件を探すのが「賢いマイホーム選び」だと考えられてきたのです。
しかし、今回の東日本大震災では、大津波をはじめ地盤の液状化や斜面地でのがけ崩れで多くの住宅が被害を受け、土地の安全性がクローズアップされました。また、建物に被害はなくても上下水道など周辺のライフラインがダメージを受け、生活に深刻な影響が及ぶことも多くの人が認識しました。
これからのマイホーム選びでは、建物の耐震性が従来以上に重視されるとともに、土地の安全性やライフラインの災害対応力など従来あまり意識されてこなかったポイントも問われることになるはずです。
マイホームをめぐる状況が大きく変わろうとしているとき、最低限知っておきたい基本情報とマイホーム選びのヒントを提供するため、さくら事務所の総力をあげて書籍『マイホームはこうして選びなさい』を企画しました。今回の連載では、「マイホーム選び」を考える新しい道しるべとして、10回にわたりそのポイントをお伝えしていきたいと思います。

「マイホームはこうして選びなさい」

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