専門性を活かした働き方

 定年になったシニアが在職中の経験や人脈を生かして、短時間だけビジネスの相談にのる「スポットコンサルティング」が増えているという記事が大手新聞に掲載された。

 雇用延長に比べ、シニア側は時間に縛られることがなく、企業側も必要な人材をピンポイントでコストも安く雇えるメリットがあるとされている。 記事には二人のビジネスパーソンが紹介されていた。

「社会に出て、緊張感がある人は魅力がある。命ある限り働きたい」と電機メーカーで30年近く海外事業に携わった経験のあるCさん(66)は意気盛んだという。

 企業の海外進出を支援する会社に登録して豊富な経験に基づくアドバイスを企業に提供している。

 その会社には海外事業経験を持つ2400人が登録していて、2時間単位で対面や電話で経営相談するスポットコンサルティングサービスや、1日単位で顧問になり、現地などにも同行する。「グローバル顧問」の制度があって、中小企業など約200社が利用しているという。

 Cさんもシンガポールでワイン事業を計画する企業のグローバル顧問となった。「フルタイムで働くと自分の時間が足りなくなり、無理して働くことになりかねない。適材適所で自由に働けるのが大きい」と話す。 紹介されていたもう一人も「フルタイムだと体力的にきついが、経験を生かしたかった」と発言している。

 実はこの新聞記事の最後には、私のコメントが紹介されている。これらのスポットコンサルティングの流れについてどのように考えるかという取材を受けたからだ。

 まず「働き方の多様性という観点では評価できる」と話した。定年退職者に対して幅広い選択肢を提供することにつながるからだ。また60代半ばになって通勤電車に揺られてフルタイムで働くことは身体に負担になることも考えられる。その意味でもこのような流れは評価できる。

 ただ当然ながら、コンサルティング業務では、成果もきちんと出すことが求められる。在職中から社外でも通用するスキルを磨いてく必要があることは言うまでもない。