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影が薄い国家戦略局と菅直人氏

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第98回】 2009年9月24日
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据わりが悪い菅直人氏

 民主党政権が発足して活動を開始した。

 内閣及び党の人事は、連立相手の二党からの入閣者がやや心配だが、民主党の有力者を適所に配した悪くない布陣だ。特に、長妻昭氏が「年金担当相」といった曖昧な役職でなく、役所の人事権を持つ厚生労働大臣に就任したことはいい。

 鳩山首相の動静は連日ニュースになるし、八ツ場ダムの工事中止(前原国交相)や、母子加算復活に向けた動き(長妻厚労相)、いわゆる日米の核持ち込み密約の調査や外務省記者会見の開放(岡田外相)など活発な動きが報じられている。

 彼らの動きに対して、申し訳ないが、率直に言って意外に影が薄いのは、副首相格で入閣し国家戦略局を所管する予定の菅直人氏だ。

 国家戦略局となるべき組織はまだ法的根拠がなく、鳩山首相の指示の下に「国家戦略室」が発足しただけだが、言われるように内閣の要であるなら、国家戦略局が今後どういった権限を持ち何を目指すのかについてもっと活発な情報発信があっていい。

 菅氏は複数年度予算に意欲を示したが、国家戦略室の古川元久室長は、9月21日にテレビ朝日の番組で、政府が平成22年度からの導入を検討している複数年度予算編成について「なかなか難しい」と述べ、当面は22年度予算のみの編成を優先する考えを示した。来年度予算に関してはこれが現実的なのかも知れないが、そうであるならなおのこと、今後の予算編成のあり方や国家戦略局の役割についてアピールしないと影が薄くなる。

 今のところ、国家戦略局と財務省の予算編成に関する権限の在処がはっきりしないし、仙石由人氏が所管する予定の行政刷新会議と国家戦略局のカバー範囲も境界が曖昧だ。

 かつて民主党の有力者といえば鳩山・菅・小沢の三人だった。「政府の鳩山」、「党の小沢」と二人がそれぞれのナワバリの長となる中で、菅直人氏は「副総理格・国家戦略局担当相(予定)」でどのくらい満足なのだろうか。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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