会社のHPで氏名漏洩に300万円要求!クレーマー社員vs社長の顛末本人の同意を得ないまま、会社のホームページに社員の名前を掲載してトラブルに!(写真はイメージです)

一見人当たりもよく、仕事もできるが、キレると嘘をつき、暴言を吐く訪問看護師。その異常な言動で営業活動停止の危機に……。こうした時、会社はどう対峙すればいいのだろうか?(特定社会保険労務士 石川弘子)

 新たに訪問看護サービスを立ち上げるT社。有能な経験者を募集していたところ、実績を買われたM川が入社することになった。T社は「これで計画通りスタートできる」と喜び、意気揚々とサービスを開始した。ところが、このM川が実はとんでもないモンスター看護師だったのだ……。

 本題に入っていく前に、まずはT社の概要と登場人物を簡単にお伝えしよう。

T社 概要
 創業10年のデイサービスを運営する介護サービス会社。新規事業として訪問看護サービス業を立ち上げた。介護サービスのノウハウはあるが、訪問看護サービスは初の試みだ。介護サービスでは地元での実績もあり、訪問看護サービスを行うことで、幅広いニーズに合致したサービス展開をしていきたいと考えている。
登場人物
K田:T社の社長。30代後半の男性。若くして創業し、地域貢献をモットーに介護サービスを展開してきた。人当たりもよく、ソフトな印象。
M川:訪問看護経験のある40代後半の看護師。T訪問看護サービスの募集広告に応募し、実績を買われて即戦力採用された。華やかな美人で、第一印象は悪くない。

 T社は、地元で介護サービスを展開しているが、幅広いニーズに応えようと、訪問看護事業を新たに行うこととした。しかし、看護業界についてはノウハウがなかったため、社長は、訪問看護経験のある看護師をできるだけ早く採用したいと考えていた。そこへ、ようやく理想の人材ともいえるM川が応募してきた。

 面接で「訪問看護の経験は10年近くあります。病院勤務よりも、ご家族と深いコミュニケ―ションが取れる訪問看護にやりがいを感じています」と語ったM川の印象が良く、M川の経験も買って即座に採用することに決めた。その後、順調に準備が整い、無事に訪問看護の許可が下り、サービスを開始することとなった。